スーザン・ボイル騒動とUKプレスについて思うこと

スーザン・ボイル騒動とUKプレスについて思うこと


実は今週末のUKを独占したもうひとつの話題は、
このスコットランドのド田舎出身&歌手志望(48歳独身)のおばさん=スーザン・ボイルと、
あの悪名高いUKプレスとの間で繰り広げられたすったもんだの泥仕合だった。

今週末オン・エアされた英タレント・スカウト番組=Britain's Got Talent決勝戦は、過去5年来最高の視聴率(!)を誇ったらしい。

過去一ヶ月あらゆる電波系メディア&世界中のネットを通じてビルド・アップされたこの世紀の「シンデレラ・ストーリー」、
結局スーザンさんはドタン場で訳の分らぬ大道芸人ダンス・チームに負ける!というアッと驚くどんでん返しになったわけだが、
平和な田舎で育ったこの純朴なおばさんにはショックが大きすぎたのか。

今朝のニュースでは「負けてホテルに帰ってきてから突如情緒不安定になり、救急車で病院に担ぎ込まれた!」との報道が。
「御伽噺はやはり無残に破れた」「白鳥になれなかった醜いアヒルの子?」等のさまあみろ!心理が丸出しのヘッド・ラインが国中のメディアで飛び交っている。
痛々しい、、、ほんと目を覆いたくなる。
過去一ヶ月あれだけ国を揚げてこの純情なおばさんを誉め倒しておいて、あげくの果てがこれ。
UKメディアの底意地の悪さを改めて痛感した。

持ち上げるだけ持ち上げておいて「本人がその気になり始めたな」と気付いた途端、急に論調を変えてドン底に叩き込む。
これって昔からUKプレスの得意技なんです。

筆者もこれまで何度もこういう現場を目撃してきた。
特に英メディアが多く集まる記者会見は、しばしば「ジャーナリズムという大義名分を掲げた集団リンチの場」になりやすい。
今だから言うが、あのビースティ・ボーイズがUK内で初めて行った記者会見では、記者団のあまりの毒舌攻撃にアダム・ヤウチが途中で泣き始めた(マジで)ほど。
で、翌日の各紙では「ワルでハードなビースティ・ボーイズの実態がこれか?笑わせるな」なノリでデカデカとヘッド・ラインを飾る。

「世論を反映するのが記者の仕事」どころか、
群集心理の最もネガな面を反映するのがUKプレスなんじゃないですか?と言いたくなる。

こういう例を見るたびに、あぁ自分は絶対こうはなりたくないな、と肝に銘じることにしてます、ええ。
「皮肉&毒舌」が国民性として染み付いてるのが英国人なのは百も承知ですが。
コメディとかにポジな形で結びつく場合は最高なんだけどなぁ、この英国人の底意地の悪さ。

でも思うんだけど、このスーザンさん、
決勝には負けたけど「既に何億もの契約金をオファーするレコード会社や映画/TV出演の誘いが舞い込んでいる」らしいし、
結局最後に富&名声を手にしてウハウハ笑うのは、このおばさんなのかも(笑)。
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