スコットランド訛り

スコットランド訛り

★UKの音楽業界にはスコットランド人が多い。

今思い浮かぶだけでも、
プライマル・スクリーム
ジーザス&ザ・メアリー・チェーン
トラヴィス
ベイ・シティ・ローラーズ
シンプル・マインズ
アニー・レノックスとデイヴ・スチュアート(元ユーリズミックス)
ミッジ・ユーロ(元リッチ・キッズ、ウルトラヴォックス)
ザ・ヴァセリンズ
ザ・フラテリス
ザ・ヴィュー

etcのミュージシャン連中をはじめ、

オアシスやライドetcを発掘したあの英名門インディ・レーベル/クリエイションの創立者=アラン・マッギーもそうだし、
英ラフトレの国際部で長年お世話になった担当者もスコティッシュだった。

つい先日筆者の留守電に残された某レコード会社からのメッセージも「どぎついグラスゴー訛り(上京したばかりの新スタッフ?)」で、
何度聞きなおしても肝心なところが分からず、
メールで改めて「メッセージの内容」を確認しなおした。
なんてこともあったので、
調べれば多分、UK業界にはもっといるだろう。

因みに、筆者がRockin'onに入社後、初めて行った電話インタヴューの相手も、
あの「グラスゴー(!)」出身のティーンエイジ・ファンクラブ(確か90年のデビュー作『A Catholic Education』リリース前)だった。

英語が第一言語じゃない日本人にとって、
「訛り」のきつい地方人と電話で長い会話を交わすのはまさに地獄。

対面ならまだいいんです。
相手もこっちが「外国人」であることを気遣って、なるべく標準語に近い発音で喋ってくれるので。
こういう場合、一番困るのがやっぱり電話。
相手もこっちの顔が見えないせいか「自分は今、外国人と話しているのだ」という事実をすぐ忘れてしまう。
会話がノッてくればくるほど相手も「地/お国訛り」が出てくるので、
この初電話インタヴューも5分後あたりから、
受話器から聞こえてくるのはノーマン・ブレイクの「強烈なグラスゴー訛り&早口」英語の連続放射。
Yesは、ア~イ(歌うように語尾を上げる)だし、
ディスコティックは、ディズゴディックだし、
Fineは、Bonnie(ボニーと発音)だし、
各フレーズの発音やイントネーションだけではなく、
単語そのものまで標準英語とは全く違っていたりする。
(日本語で言えば、「鹿児島弁」か「東北訛り」に近いかな)。

おかげで、まだスコティッシュ訛りに慣れてなかった当時の筆者は、
相手の言っていることの半分ぐらいしか聞き取れず、、、(泣)。
かといって限られた時間の電話取材で「今の、もう一回言ってもらえますか?」を繰り返して取材時間を無駄に浪費するわけにもいかない。

そこで、取材中はとにかく相手にグラスゴー訛りで喋りたいだけ喋らせ、
後日その取材テープを10回ぐらい聞き直し、
通常のウン10倍ぐらいの時間をかけてやっとテープ起こしを終了!!!
なんてさんざんな顛末に。

スコティッシュは、飾り気のない率直な人が多いので大好きなんだけどなぁ、、、。


★あ、上の写真は88年からBBC・TVで放映されているスコティッシュ・コメディ・ドラマ『Rab C. Nesbitt(=グラスゴーに住むアル中の失業親父。彼の家庭で起きる珍事件や悲喜劇をネタにしたブラック・コメディ。
あの10代目Doctor WhoのD・テナントも、トランスヴェスタイトのパブのバー・メイド(悶絶)として出演したことあり)』。

BBCで全国放送される人気番組なのに、「字幕」付き(爆笑)。
どぎつい「スコティッシュ訛り」は英国人でも分からないようで。

某スコットランド人の友達によると、
「スコティッシュ訛りでも、住む地域/地方によって全然違う」、
「同じグラスゴー内でも、ガラの悪い地域に行けば行くほど訛りもキツくなる」んだそうですが。

外国人の筆者がスコティッシュ訛りをマスターできるのはまだまだ先の話かな。
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