志磨遼平がひとりで作ったアルバム『1』は泣いていいのかわからないが、ただ泣けるアルバムだ。
しくしくなのか、わーわーなのか、えーんえーんなのか、ぽろぽろなのかは人によると思うが、僕はしみじみしくしくと泣いた。
どの曲もタイトルがいいが、何より素晴らしくて泣けるのは志磨の歌だ。
変な声なんだって彼はいつも言うけど、このアルバムの声は変な声じゃない。
ここにある曲を歌うためだけにあるような完璧な声だ。
たとえば生まれたての子供の泣き声が自意識などないただ泣くための声であるのだとして、志磨の声もこの歌を歌うための声であるように聴こえる。
そんな無防備な歌を歌わなくてはならなかった事実はやはり切ない。
だが、志磨がこれまで「変な声のヴォーカリスト」であり続けてきた理由もまた、僕が聞く限り本当に胸に迫る話であった。
とても大切な話をしてくれた。
掲載を楽しみにしていてください。