エレファントカシマシ、新春武道館のレポート追記。”シグナル”について
2015.01.05 23:12
新春武道館のレポート書きました。書きたいことが書けたと思います。
http://ro69.jp/live/detail/116440
ぜひ読んでみてください。
できるだけ、ライヴ全体を端折ることなく、一曲一曲丁寧に書きました。
新春名曲祭り、という感じだったと書きましたが、大げさでも誇張でもなく、誰もが知るヒット曲からファンこそ喜ぶ楽曲まで、本当にすべてが「名曲」に聞こえました。
そういう演奏、そういうメッセージ、そして、受け取る側も受け取る心が全開になっていた――そんな幸福な武道館公演でした。
特に僕は”シグナル”という曲がどういうわけか異常に好きで、実は一時期この曲ばっかり聴いていたことがありました。
この日、エレファントカシマシはこの曲をやってくれました。
この曲は宮本の十八番的コード進行、と言っていいでしょう。
激情と穏やかな歌心を行き来する素晴らしいパフォーマンスでした。
でも、今あらためてCDで聴くと、実はけっこう静かな曲なんですよね。
故・佐久間正英さんのオルガンが優しくうっすら鳴り続ける曲で、でも今、あのライヴを経て聴くと、この静かな曲が「とにかくがんばるしかないんだよ」という曲に聞こえてくるんですね。
かつて何度も何度も聴いていた頃はどちらかというと、「暗い街灯の下、ベンチに座り、自分の影を見つめてた」という諦念に感情移入していたはずなんですが、今は「悲しみの月日があらたな歴史のシグナル/いまからはじまる未来のあなたのシグナル」というフレーズにぐっときてしまう。
もともとそういう強い楽曲なんだと思います。
でも、やっぱり過日の新春ライヴを見れたからこそのネガポジ変換なんだと、あのライヴを観れて本当によかった、と今あらためて思っています。
エレファントカシマシの場合、ある曲が歳月を重ねいつの間にか自分の中で異常に重要な曲になっている。そんなことがよくあります。
この曲はまさにそういうエレカシだからこその「名曲」、その最高峰に位置する曲だと思います。
静かに熱い、これぞ宮本のメロディ、宮本の歌。
次号のJAPANでもまたレポートを書きます。
そちらもぜひ読んでください。