綺麗であるとか、美しいといった形容を超えて、ただただ澄み切っていく歌声の説得力は今までも素晴らしかったが、この深みはやはりデビュー20年の賜物なのだろうと思う。
この20年、彼女らしいたくさんのトライアルがあり、道のりは必ずしも平坦なものであったわけではないが、その歴史がたどり着いた歌声が、美しく澄み渡った、そして底知れない深みのあるこの歌声であった、ということにたまらない感動を覚える。
凛とした美しさとしなやかさを一切失うことなく、ここまで一歩一歩歩いてきた坂本真綾は本当にすごい人だ。
どのように年を重ねていくのか、というテーマに、音楽家としても、人としても誠実に向き合ってきた坂本真綾の、ひとつの回答かのようなツアー、そしてツアーファイナル公演だった。
お客さんも終始、祝福的でとても楽しく、気持ちのいいライヴだった。
今のところツアーの予定はないが、是非ともまた早くこの歌声を聞かせてほしい。
彼女の歌声はたくさんの人にとって、人生への向き合い方を教えてくれるようなとても大きな存在になっていると思う。
坂本真綾、中野サンプラザでのツアーファイナルを観て感じたこと
2016.02.07 19:43