バンドとツアーメンバーでオーガニックで柔らかな、同期なしの「音」そのものを奏でるこのツアーは、桜井をはじめ、ひとりひとりの思いが重なり形になっていく様子をドキュメントのように見せていく。
その工程は、まさに虹が生まれる仕組みを見せられるような、たまらなく尊いものだ。
本当に素晴らしい状態に、今ミスチルはいる。
バンドとしての生命力と喜びそのものがメロディになり、歌になっている。
おかしな言い方になるが、桜井は今、ミスチルというバンドが奏でるサウンドに導かれるままに歌を歌っている。
そうとしか思えないほどの、実に等身大で、実にしみじみと感動的なライブだった。
それにしても、虹というツアータイトルがいいと、田原さんが言い出したというエピソードは最高だなと思った。
桜井がその話を嬉しそうに話すのがまた最高だなと思った。
幸せな金曜日の夜になった。