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    SiMの横浜アリーナワンマンを観た!

    SiMの横浜アリーナワンマンを観た!
    SiMのロックは思想的で、同時に極めて肉体的だ。

    ひとつの信念を持ち生きていくこと、そのタフさ、結末としてのリアルさとシビアさ、美しさ。

    そういった人生的な真理を見つめ、歌い続ける思想的な強さを、SiMは見失うことはない。

    政治的なメッセージが説得力を持って響くのは、SiMのロックにはあくまで一人称でものを語ることの責任が刻まれているからなのだと思う。


    音楽的なジャンルでいうなら、ヘヴィロック、レゲエ、メタル、ヒップホップ、あるいは歌謡曲の哀愁も含め、全てが交配されているのがSiMのロックだ。

    ライブに来たキッズは多くのロックとの出会いを、SiMを通して経験していく。

    そんな肉体的なしなやかさがSiMの雑食で極めて音楽的な在り方の背骨になっている。


    そして、そんなふたつの軸の強さが、横アリの空間の大きさ、ど迫力の照明、音響、ファンの大合唱を受け、いよいよ本領を発揮していたーーというのが今夜の強烈な印象だ。

    本物の、凄いライブだった。


    さらにライブを一本の映画として見せるシナリオもタイトで超カッコよく、ドラマチックな流れを見事に作り上げていた。


    つまり、いちロックバンドとしても、他にどこにもない可能性を探る共同体としても、エンターテインメントの芯を提示する表現者としても、見事な高みを見せた崇高なくらいのライブだった、ということだ。

    MAHは、いつも通りですみません!と言っていたが、SiMのいつも通りの誠実なライブは常に、それだけで稀有だ、ということでもある。


    本当にいいライブを観せてもらった。
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