ただ通りすがりの人から、泣いた子供を抱えた母親、三世代にわたる家族連れの方々、若いカップル、修学旅行の生徒と思しき学生の子たちーー。
そのすべての人たちを、もっと言うなら、そんな数百人の「グレー層」の聴衆を、一聴で釘付けにして、その場から立ち去らせることのない歌声。
それはある意味で選ばれた歌声と言っていいレベルのものだが、同時に、さユりが「酸欠少女」として生きてくる過程で、さユりだけの必然として育んできたものだ。
そんな歌声の力は今、いよいよ完全に開花しようとしている。
フェスでも思ったが、よく飛んでいく素晴らしい歌声だ。
野外で聴くとなおさらそう実感する。
さユりは素晴らしいシンガーソングライターだ。