My Hair is Badの武道館ライブを観て

My Hair is Badの武道館ライブを観て
マイヘアが凄いのは、表現のスケールも活動のスケールもすべてを大きくしていきながら、その大きなスケール感のど真ん中で、原点を見失うことなく、ブレることなく、椎木という人の一人称的な視点を貫いていることだ。
不特定多数の気持ち良さを包み込むような、いい塩梅の表現に逃げ込むことなく、みんなが心地よくなれるような「逆算」型の作り込みをするもことなく、椎木が歌えることだけがひたすらに綴られている。

それがやり続けられるのは、彼のつぶやきや叫びが、ある種の強烈な普遍性を持っているからだろう。
椎木の言葉は真理を突いたものとして、あるいは真理を追い求めるリアルで切実なものとして、僕たちの心に飛び込んでくる。
そしてまさに、一対一の関係性が、そこに生まれる。

武道館はライブハウスではない。
ライブハウスではないが、マイヘアと椎木は一対一を一万人分作り、「マイヘアのライブ」を見事にやりきっていた。
素晴らしいと思った。
本物の力は規模や人数によって薄められてしまうことなく、本物の関係をひたすらに増やし続けていく。
マイヘアの本質的な凄さがよくわかる武道館公演だった。

椎木という男が作る曲と歌は、ロックがロックたりえる条件の、もっとも大事な要素を完璧に表現していると僕は思う。
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