写真は野音に向かう時、自宅のそばで撮った写真。
台風が東京を通り過ぎ、無事に野音でライヴが行われ、そしてそれを観ることができて、本当によかった。
今日もMCであったが、彼女たちはよく「わたしたちがここにいるためにはみなさんの応援が必要なんです」という話をする。
実際、メンバーにはお客さんの応援が、自分たちがステージに立つことを「アリ」にしてくれる感覚があるのだと思う。
だからこそ、でんぱ組のライヴを観ていると、ここでは「応援する人が主役なんだ」と思されることがよくある。
ただ、今日初めてライヴで”W.W.D II”を観て、この曲だけは楽曲とでんぱ組の6人が主人公になるのだなとも感じた。
6人それぞれの物語が歌われ、赤裸々な吐露がなされるこの曲では、応援のかたちが変わる。
「観て」いたいし、「聴いて」いたい。そんな気持ちにさせられる。
この間、完全な無言ではもちろんないが、応援のかたちが変わる。
ただ、ステージの6人とオーディエンスのコミュニケーションがなくなるかというと、むしろ逆なのだ。
この楽曲の前半部分、抑えた曲展開が続く数分間。
そこでは、むしろ濃厚なやり取りが、6人と、オーディエンスが共有してきた物語を介して行われている。
それに気付いた感覚があったとき、この日のライヴが桁違いに説得力を増した感じがした。
そして、それは、たくさんの険しい物語を歩んできたでんぱ組と、そんな彼女たちを応援することを選んだファンだからこそ為しえる、深いやり取りなのだと思う。
今、このコミュニケーションがこれだけの規模でできるアイドルは、この世界広しと言えども、そうはいないだろう。
6色のサイリウムが揺らされる、狂騒というより静寂に近い時間は、彼女たちが勝ち取った無二のコミュニケーションの時間なのだと思った。
”W.W.D II”は本当にすごい曲だ。
そして、この曲をしっかりとでんぱ組だけが歌えるアンセムにしてしまえる、今の彼女たちもまたやはりたまらなく魅力的だ。
すごくいいライヴだった。