aiko@武道館、感動的なライヴだった

aiko@武道館、感動的なライヴだった

祈るような気持ちでaikoのライヴに向かったのは初めてだったが、そんな気持ちも最初のメロディを聴いた瞬間に吹き飛んでしまった。
圧倒的に楽しい、完璧なエンターテイメントとしての2時間40分。
すべての観客を身内にしてしまうあのキャラクターもトークも、そしてもちろんポップの真髄を知り尽くしたパフォーマンスも、一切の躊躇なく、100パーセントのパワーでやりきり、武道館に集まった満員のオーディエンスの期待に真正面から応えてくれた。
さすがのひとことしか出てこない。
来た人を必ず笑顔に、来たときよりも必ずパワフルにしてみせる。
その哲学は今日、見事なまでに貫かれていた。
復活どころじゃない、最高のaikoライヴだった。本当にすごい人だ。

今日、まるで糸を引くようにすーっと伸びる声を自分で確かめ、喜びを噛みしめながら楽しげに思い切り歌うaikoを観ていて、なんだかデビュー当時のライヴを見ているような気がする瞬間が何度もあった。
今回のツアーは15周年を記念したものだし、当時の曲もたくさん演奏したからという理由ももちろんあるだろう。
だが、それ以上に、夢見たステージで自分の歌を求めてくれるお客さんに囲まれて、思い切り歌いたいように歌を歌えること、aikoが全身から放つその喜びのかたちが、それこそ15年近く前、ライヴを観て感じた、怖いくらいの純粋さと重なって見えた。
そう言ったほうが正確だと思う。
しかし、あのころのような、ガンガン出る声と戯れるように、勢いを全開にして歌いまくっていた姿とは違うのもまた確かで、あのころガンガン歌っていたファーストやセカンドアルバムの曲にもやはり、15年分の物語が刻まれている。
デビュー当時から今に至るまでの映像をバックに歌われたアンコールが本当に、ちょっと驚くほどに胸に迫るものだったのにはそんな理由もあるのだろう。

デビュー15周年、本当におめでとうございます。
素晴らしいライヴでした。
小栁大輔の「にこにこちゅーんず」の最新記事
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする