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    ねごと@渋谷クラブクアトロ、ツアーファイナルを観て思ったこと

    ねごと@渋谷クラブクアトロ、ツアーファイナルを観て思ったこと

    こんなねごとを観ることができて本当によかった。
    幸子がセンターポジションに立つようになってから数ヶ月が経つが、そんな変化に挑み、4人が見つけたかったのはこんなねごとだったんじゃないか。
    自由で、ロックで、気まぐれで、カッコよくて、だからキラキラ輝いているねごと。
    本当にこの4人が観たかった。

    先月インタヴューしたときにも4人は「今、音楽が本当に楽しい」と話してくれたが、ねごとにとって「音」が「楽しい」ものであるかどうか、というのはよくある単なる理想論などではない。
    ねごとのポップミュージックに魔法をかけられるかどうかの死活問題である。
    いつしか音楽が楽しいものじゃなくなってしまった、というような話を今日幸子はMCでしていたが、その迷いは4人を深く苦しめてしまった。
    楽しさを誰よりも知っている4人だからこそ、そしてそれを共通項に集まった4人だからこそ、この迷いは根深く、4人はもがくようにここまで進んできた。
    しかし、今のねごとに迷いはない。
    うまく歌うこと、うまく演奏すること、会場にいる全員を100%納得させること。
    そんな客観をつきぬけ、今再び、「楽しいから」音楽をやれる地平にたどり着いた。
    勢いと喜びと眩しさで作られるライヴをやれるように、ねごとは再びなった。
    むちゃくちゃカッコよかったし、なにより、むちゃくちゃチャーミングだった。
    本当によかったなあと思った。

    今日、4人はアンコールをやった。
    ファンならそれだけで今日のライヴがいかにブレイクスルー的なものだったのかわかってもらえるだろう。

    新曲もたくさん作っているそうだ。
    たぶん、作っているというより、「できてしまう」というニュアンスに近いのではないか。
    ねごとはまたここから始まる。そう確信させてくれるライヴだった。
    言うまでもなく、素晴らしいライヴだった。
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