今日はリキッドルームで、大森靖子を観た。

これまでもイベントなどで何度か観たことがあったが、ワンマンとなると特別に際立つものがある。
それは、なんてフォーカスの絞られた音楽なんだろうということだ。
自分が言いたいことというより、自分に言える真実、事実だけがひたすら歌われ、暴かれていく。
そこに過剰な説明や狙い澄ましたギミックはほとんどと言っていいほど存在しない。
逆に言うなら、説明やギミックが存在しえないほどズバリと絞られたかたちで、大森靖子の音楽は生まれているように感じる。

彼女の音楽が重く本質的なテーマを持っていながら、どこかに必ずポップな手触りを残すのは、その暴きはつまり、かたち
のない真理に輪郭を与える普遍化の作業でもあるからだ。
高度な批評、鋭い皮肉による「気付き」には目の前の景色が一変してしまうようなダイナミズムがある。
それはメッセージの明暗にかかわらず、小気味のいい、ポップな現象となる。
そのメカニズムを短い楽曲の中で何度も表現する大森靖子は、その意味において、すごいポップミュージシャンである。

今日はバンドセットでのライヴだった。
しっかりと練り込まれたアレンジもまた素晴らしく、シューゲイザーからノイズ/アヴァンギャルド、オーセンティックなギターポップまで、サウンド的な意匠でも完璧に満たしてくれた。
最高だった。

今日、エイベックスからのメジャーデビューが発表された。
大森靖子はこれからどのように羽ばたいていくのだろう。
楽しみだ。

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