たった数週間でスターに

たった数週間でスターに

「スター」の定義をどうとるかにもよるけれど、ここ数日、インディー・ミュージック・リスナーの間で話題をさらっているのが、このCultsだ。
なにしろ、あのPitchforkでさえ、このCultsがどういう連中なのか調べるのに四苦八苦していたようで(というか、この2人にはMySpaceすらないのだ)、ようやくわかったのは、彼らがBrian OblivionとMadeline Follinの男女2人組であること、ふたりはサンディエゴ出身で現在はニューヨークで映画の勉強をしているということ、だから(?)音楽を始めたのは実は数ヶ月前で、この3曲の音源をネット上で公開したのはたった数週間ほど前だったということ(!)などなど。

それが、瞬く間にインディー・リスナー・ネットワークを駆け抜け、突如現れた謎の2人組としてさらなる注目を集めているというような状況なのだ。

ボーカルを担当しているMadelineは実は9歳のときにレコード・デビューを果たしていて、彼女の母親はDee Dee Ramoneのアート・ディーラーだったという話もなんだか謎めいている。

その音のほうはというと、これが現代のソウル・ミュージックというか、モータウン・クラシックを思わせるリズム・パターンとメロディ・ラインが、すっかすかのまま絶妙なバランスで構築されたもの。音からこぼれてくる淡い光がすごくリアルだ。特に、カルト教団の指導者Jim Jonesの演説を冒頭にサンプリングした「Go Outside」が秀逸。
音はこちらから。
http://cults.bandcamp.com/

そういえば。以前、ここ数年のフォークの隆盛は、アメリカが現在、戦争をしていることと関係があるのかもと書いたけど、こういう50年代、60年代ポップ・クラシックへの探求というのも同じ理由なのかも知れない。常にどこかで戦争しているアメリカではあるけれど、いまのアメリカン・ミュージックは戦時下であることが強く意識された音楽のように聴こえてくる。たとえばそれは、想像上の空襲警報の下で聞いているラジオのような。

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