イギリスはコーンウォールの地元議会に、騒音のために練習を禁止された10代のメタル・バンドBlack Leaves of Envyが、フー・ファイターズのデイヴ・グロールに支援をお願いしたそう。
http://www.theguardian.com/music/2016/mar/24/dave-grohl-writes-to-cornwall-council-to-allow-local-band-to-practise
ガーディアン紙によると、バンドのリード・ヴォーカルである17才のアダム・ジョーンズは「彼らが若い時にガレージで音楽を始めたことが、ニルヴァーナの物語となったわけだからね。なんとか助けてくれないかとお願いの手紙を送ったんだ。でも、まさか返事が来ると思ってなかったから、超シュールだったよ」と。
バンドは、15~17才で構成されているそうで、地元議会からは、30~40デシベル(冷蔵庫のノイズ程度)以上の音は出してはいけないと言われたそう。
それを知ったデイヴさんが議会宛に書いた手紙
https://twitter.com/foofighters/status/712664810073161728
以下抜粋
「コーンウォール議会へ
私はデイヴ・グロールといいます。この度、地元のバンドBlack Leaves of Envyのためにこの手紙を書いています。彼らがコーンウォール議会の決めた騒音の規制により練習ができなくなったと聞きました。騒音の上限は、30~40デジベルだそうで、それは食洗機から15メートルくらい離れた所で聞こえるくらいの音です。
私は、アメリカで30年以上もミュージシャンをやっています。ニルヴァーナやフー・ファイターズなどというバンドでプロとして活動しており、累積すると1億枚以上のアルバムの売り上げを記録しています。また1987年から世界中のクラブや、アリーナ、フェスティバルや、スタジアムなどでライヴもしてきました。イギリスでも何度もライヴをしています。
そして多くのミュージシャンのように、私は地元のガレージで練習を始めました。友達と一緒になってバンドをやっていたおかげで、私の青春時代はより良いものとなりました。音楽というのは、健全な娯楽であるのみならず、子供達にとって素晴らしいクリエイティヴなはけ口となります。子供達にとっては、感情的な、または社会性の発展において欠かせないコミュニティの意識を養うものだと思います。それはあまりに大事なものであり、私自身ヴァージニア州スプリングフィールドで過ごした難しい子供時代は、それがあったからこそくぐり抜けることができたと言えるくらいです。
プロのリハーサル施設がないミュージシャン達にとっては、ガレージや地下室というのは、彼らの才能や情熱を発展させるための唯一の場所となります。子供達が音楽を通して自らのクリエイティヴィティを探求し、自己を確立する場所があるということは、何より大事なことです。それを維持することは、アートと音楽の未来にとって欠かせないことだと思います。それがなくなってしまったら、私達は一体どうなってしまうのでしょうか? 私自身、将来音楽家になるかもしれない3人の子供達の父親として、我が家では、彼らの将来のためにも、最優先としてきました。
だから、あなた達の地元バンドBlack Leaves of Envyのためにも、若い世代のミュージシャンのためにも、リハーサル・スペースの騒音の制限について再検討していただけないでしょうか。もし改正していただければ、コーンウォールが音楽やアートを育てる場所であるのみならず、子供達に自分達の夢を追いかけるように、どんなことだって可能なんだというメッセージを発信しているということにもなると思います。
お読みいただきありがとうございます。
デイヴ・グロール」
ここに書かれている内容は、彼がSxSWで行った基調講演の内容とも重なるので、今回彼がこの手紙を書いた理由だったのかもしれない。
そして、さすがフーファイと思うのは、この手紙を書くだけではなく、騒音を防止するにはどうしたらいいかを図式入りで細かく説明していること(PDF版あり)。日本はガレージも地下室もない家がほとんどだと思うので、皆さんも参考にどうぞ!
http://foofighters.com/soundproofing