トム・モレロ「すべての音楽は政治的である。ジャスティン・ビーバーですら」

トム・モレロ「すべての音楽は政治的である。ジャスティン・ビーバーですら」

大統領選挙がアメリカである今年、ドナルド・トランプのキャンペーン・スローガン「アメリカを再び偉大にする」(MAKE AMERICA GREAT AGAIN)をもじった、「アメリカを再び怒らせる」(MAKE AMERICA RAGE AGAIN)を掲げてレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンとサイプレス・ヒル、パブリック・エネミーを合体させたプロフェッツ・オブ・レイジを結成したトム・モレロ。

最新のインタビューで、すべての音楽は政治的であり、なぜそうなのかを語っている。
http://www.rollingstone.com/music/news/tom-morello-all-music-is-political-even-justin-bieber-20160520

「音楽というのは100%政治的だ。音楽は現状を支持しているのか、または現状に異議を申し立てているか、のどちらかしかない。だからそういう意味で、すべてのアーティストは政治的だ」

「ジャスティン・ビーバーとかセレーナ・ゴメスのようなアーティストを政治的だと思う人は少ないかもしれない。彼らの音楽というのはだいたい非常にエンターテイニングでファンに広く愛されるものだ。だけど、それは僕らが生きる時代の不満をまぎらわすために提供される食事と娯楽のようなものなんだよ」

「もし権威を糾弾していないのなら、戦略的に権威に服従していることになる。とは言え僕だって、自分のiPodには楽しくて踊ってしまうだけの曲がたくさん入っている。そういう曲だって必要だ。だけど僕は自分の作品においては、自分の発言すること、自分のやることはすごく意味があるんだ、ということをしっかりと意識しているんだ」

「僕たちは歴史を請け負っている。だからもし車のハンドルをしっかりと握らなかったら、他の誰かに取られてしまう」

このインタビューは、オハイオ州クリーブランドにあるロックの殿堂博物館で開催中の“Louder than Words : Rock Power Politics”という特別展のために行われたもの。この特別展では、ロックと政治と歴史の関わりについての展示がされているそうだ。
https://rockhall.com/exhibits/louder-than-words-rock-power-politics/

その他U2のボノが“Bullet the Blue Sky”のルーツなどを語っている映像や、ジミ・ヘンドリックスがウッドストックで使ったフェンダー、ボブ・ディランの“The Times They Are a-Changin”やブルース・スプリングスティーンの“Born in the U.S.A.”などのオリジナル手書き譜面などが展示されているそう。さらにベルリンの壁崩壊、Black Lives Matter運動などの記事も展示されているという。

プロフェッツ・オブ・レイジは、7月19日、共和党全国大会の最中にロックの殿堂博物館もあるクリーブランドでMake America Rage Againという全米ツアーを開始する。現在、大統領選挙のグッズをパロディにしたようなマーチャンダイズも発売している。
http://prophetsofragestore.com/
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