US上半期アルバム売り上げ発表。アルバム売り上げは史上最低だが、ストリーミング上昇で、全体としては去年より上昇

US上半期アルバム売り上げ発表。アルバム売り上げは史上最低だが、ストリーミング上昇で、全体としては去年より上昇

アメリカの2016年前半のアルバム売り上げが発表された。
http://www.billboard.com/articles/business/7430863/2016-soundscan-nielsen-music-mid-year-album-sales-sink-streaming-growth

1) CD、アナログ盤、デジタルによるアルバムの売り上げ:1億30万枚で、1991年にサウンドスキャンが調査を開始して以来、史上最低だという。去年の同時期に比べても13.6%減少。CDの売り上げは5000万枚、デジタルは4380万枚で、去年より減少。ただ、アナログ盤の売り上げだけは引き続き上昇で11.4%アップの620万枚。新譜の売り上げは、20.2%減少で4410万枚。カタログの減少率は低くて7.7%減少の5620万枚。

2) ストリーミング:58.7%上昇で、2089億回、曲がストリーミングされ、アルバムの枚数に換算すると1億3920枚の売り上げに相当するということ。2089億回のうち、1136億回はオーディオのみによるストリーミングで、953億回がYouTube、Vevo、 Tidal、 Apple MusicなどによるMVなど映像のストリーミングということ。オーディオのストリーミングが映像のストリーミング回数を超えたのは今回が初めてだという。

3) 全体:ビルボードによると、アメリカでの音楽売り上げ合計は19億8000万ドルで、去年の同時期の18億2000万ドルより8.9%上昇。ただし、ビルボードは1曲のストリーミング1回を0.0063ドルで計算していて、これはインディ・レーベルによっては高すぎる設定である可能性もあると。

4) 現時点で今年100万枚越えをしているのは3アーティストで、ドレイクの『ビューズ』で130万枚、アデルの『25』で140万枚、そしてビヨンセの『レモネード』で120万枚。ストリーミングも入れると、現時点で1位はドレイクの『ビューズ』で計261万枚分の売り上げ+ストリーミングを記録したことになる。

5) 現時点で一番売れているアナログ盤は、デヴィッド・ボウイの『★』で5万7千枚。

6) アルバムを購入するのが一番多い場所はデジタルによる販売で、全体の43.7%。ただ売り上げは去年の18.4%減少。意外なのは、Amazonやスーパーマーケットなどの音楽の専門店以外でのアルバム売り上げは、8.3%上昇しているそう。

7) ストリーミングも入れたアルバム全体の売り上げ枚数は2億7990万枚で、去年の同時期に比べると8.9%上昇。1)の売り上げが減少していることを考えても、ストリーミングに移行し、上昇しているという結果。
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