ストーンズ、オリジナル曲の新作のレコーディングも半分終わっている、とミック・ジャガーが語る

ストーンズ、オリジナル曲の新作のレコーディングも半分終わっている、とミック・ジャガーが語る
11年ぶりのアルバム『ブルー&ロンサム』の発売を12月2日に控えたローリング・ストーンズだが、ミック・ジャガーはNYタイムズの特集記事の中で、オリジナル曲による新作のレコーディングも「半分は終わっている」と語っている。
http://www.nytimes.com/2016/11/13/arts/music/the-rolling-stones-blue-and-lonesome-album-interview.html

ロン・ウッドは、「新曲を作るのは時間がかかる」と。

つまり、まず新曲のレコーディングを開始したが、新しいスタジオに慣れるために、キースがブルース曲を演奏してみようと提案して演奏してみたところ、ミックが乗ってきて12曲演奏し、結果的にできたのがこの『ブルー&ロンサム』だったという。

具体的には、『ブルー&ロンサム』をレコーディングしたのは1年くらい前のことで、新曲のレコーディング・セッションをしている最中に、キースがロンにEメールを出したそう。「ルイジアナ州生まれのハーモニカ・プレーヤー、リトル・ウォルターの“ブルー&ロンサム”を覚えておくように」と。

「キースがそういうことを言うということは、何かしらの理由があると思ったんだ」とプロデューサーのドン・ウォズは語っている。「つまりブルース・アルバムを作るからブルースを聴いておいて、という意味ではなく、今作っている新曲で、“ブルー&ロンサム”的なアプローチをしてみよう、という意味だと思った」。

彼らがオリジナル曲の新作のレコーディングのために去年の12月に使っていたスタジオは、イギリスのBritish Grove Studios。彼らにとっては初めて使うスタジオで、普段はクラッシック・ミュージックのレコーディングによく使われる。ストーンズのメンバーは、広いスタジオに全員一緒に入りレコーディングをするというスタイルを取ったそう。

キースによると、初めて使うスタジオだったため、バンドは「スタジオのサウンドが良いかどうかよく分からなかった」という。
「そこでロニーに、『新曲のレコーディングは一旦保留して、このスタジオがどういうサウンドなのか理解したほうがいいと思う。部屋に慣れよう。それで、試しに“ブルー&ロンサム”を演奏してみよう』と言ったんだ。
そして演奏してみたら、いきなりスタジオが開けた感じがして、サウンドがそこにあるのが分かった。
『今の最高だったじゃないか!』ってミックが言って、『次はハウリン・ウルフの“Commit a Crime”をやってみよう』と提案して、そこからはもうどんどん、次から次へと曲を演奏してしまったんだ。まったく計画してなかったのにね。ミックはそれに刺激されて、とにかく走り出した電車に飛び乗ったって感じだったんだ。彼はそういうことにすごく長けてるんだ」

「このまま転がり続けろ、転がり続けろ、と思った。何曲だってやろう!ってね。
あの男がやる気になったんだから、そのまま行けるところまで走り続けるんだって(笑)。
本当にただそんな風に始まったことで、それがこのアルバムの美しいところだと思うんだ」とキースは語る。

そして、最初のセッションで5曲演奏したという。

そこでドン・ウォズが、ミックにもっと曲を選ぶように言い、ミックが曲を選び、その曲を知らないメンバーは週末に覚えてくるようにしたという。

さらに偶然なことに、エリック・クラプトンも同じくBritish Groveでレコーディングを行っていて、新作のミックスをしていたそう。
その縁で、ストーンズのセッションに参加し、2曲即興を演奏したという。

『ブルース&ロンサム』は、そうして3日間のレコーディングで完成した。

キース「とりあえずやりたいだけやってみよう。あとでどうするか考えればいいと思った。それで結果的には12曲レコーディングして、ドンと俺が話していたらミックが来て、『これはアルバムとして完成したと思う。これを切り刻んでしまうなんてあり得ない』と言ったんだ」

ロン「ミックからメールが来て、“ブルース・アルバム”がスゴく良い出来なんだ、って書いてあったんだ。
それで、これって俺の知ってる、あのジャガーからのテキストなのか?と目を疑った。
というのも彼は、絶対に、絶対に、物事が上手くいっているなんて言ったことがない人だから」

ミックはこのアルバムを「大変な技術が必要なのに、あたかも何の苦労もしてない様に聴こえる練習のようなもの」と形容している。
「ものすごく集中力が必要だけど、すごく難しい響きにしてはいけないんだ。それで実際そういう風に聴こえない」

ミックは自分が選んだ曲について、「テンポ、ムード、キー、様々な感情を考えながら選んだ」という。
「だけど大事だったのは感情だった。やはり人を驚かせるような力がないといけないし、興奮がないといけない」

今作は、ほぼ全曲、メンバーが同時にレコーディングしたという。

しかも、このセッションが終わった後に、オリジナル曲のレコーディングも続けたそう。
その時ミックは、「とにかく演奏してみよう! 3コードだけで演奏してみよう。考えるのは止めて演奏してみよう。これをブルースだと思って演奏してみるんだ」と言ったそうだ。
そういうわけで、冒頭にも書いた通り、ミックによるとオリジナル曲での新作は現在半分くらいは終わっているということだ。

『ブルー&ロンサム』は12月2日発売。詳細はこちら。
http://www.universal-music.co.jp/rolling-stones/news/2016/10/06_release/

そしてそれに続くオリジナル曲による新曲も、そう遠くない未来に発売されるはずだ!!!

ちなみにNYでは、ロンドンで開始したストーンズのエキシビジョン“Exhibitionism”が週末から開始された。
http://www.stonesexhibitionism.com/
ストーンズ、オリジナル曲の新作のレコーディングも半分終わっている、とミック・ジャガーが語る
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