こちら。
ケンドリックは、数え方にもよるが、これまでに一応3枚アルバムを出している。なので、これは4枚目のアルバムが完成したという告知なのでは、とネット上で一気に大騒ぎになっているのだ。
ちなみに、今年ケンドリックがアルバムを出すとは誰も思っていなかったと思う。なので、なおさら大騒ぎなのだ。念のためローリング・ストーン誌の「今年発売が予想されるアーティストのアルバム・リスト」を見たけど、そこにも入っていなかった。
http://www.rollingstone.com/music/lists/63-most-anticipated-albums-of-2017-w459156
面白いのは、リック・ルービンがツイートで同じ「IV」をポストしていたということ。すぐに削除されたらしいが。
リック・ルービンとケンドリックは、去年GQで対談していた。
http://www.gq.com/story/kendrick-lamar-rick-rubin-gq-style-cover-interview
その時が初めての顔合わせだったのだが、インタビューの最中にケンドリックが、新作について「もうアイディアもあって、アプローチの仕方も考えているんだ。でも、それが何を意味するのかがまだ分からない。だから、そのアイディアを全部壁に絵として描いてみて、そこからどこへ行くのかみてみたい。もしかしたらあなたに助けて欲しいかもしれない」と語っている。インタビューは、ふたりで一緒にスタジオに行くところで終わっている。
その映像はこちら。
またケンドリックは、最近NYタイムズ紙のTマガジンの表紙にもなっていて、そこで現時点では唯一新作について詳しく語っている。
https://www.nytimes.com/2017/03/01/t-magazine/beck-tom-waits-kendrick-lamar.html
新作は、「この数ヶ月の世の中にみられる傲慢な態度」に影響されたもので、「ものすごく切迫した内容になる」そうだ。「だけど俺がフォーカスしているのはあくまで自分のコミュニティに帰ること。自分のコミュニティとその基盤を作る周りのコミュニティ」に視点を向けたものになるという。
「『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』は、問題を指摘した作品だった。だけど、今その問題を指摘しようとは思っていない。俺達は今このすべての最中にあって、本来最も大きな要素である、この”人生”と呼ばれるものを、除外してしまっている。まったくだ!誰もそれについて語らなくなってしまった。なぜなら、今世界で起きている政治や、政府、システムなどについて語ろうとすると、まったく矛盾するものになってしまうから」
また深い作品が生まれそうな予感だ。
NYタイムズがこの記事の一部を映像でアップしていて、クレイグ・マックディーンが撮影しているのだがこれが、ただストリートを歩きながら語っているだけなのに超カッコ良い。
「俺は、ケンドリック・ラマー、カリフォルニア州コンプトン出身、それだけ。俺は音楽を作る。自己表現の手段として。だけど、それは自分のためだけではなくて、フラストレーションを抱えて言いたいことがあるのに、それが声にならない人のためでもある。俺は才能を授かったから、それを使って、俺の物語と、彼らの物語を、世界に伝えたいと思っているんだ」。しびれる。
ネット上では、みんな勝手な憶測をしていて、『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』も、『アンタイトルド・アンマスタード』も3月に出たので、今月に出るはずだ!とか、4月16日と23日のコーチェラにヘッドライナーとしての出演が決まっているので、その前にアルバムが出る可能性は高いだとか。
https://www.coachella.com/
『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』は、今年になって、ハーバード大学が図書館で保管するヒップホップ・アルバム4枚のうちの1枚にも選ばれている。
http://www.xxlmag.com/news/2017/01/kendrick-lamars-to-pimp-a-butterfly-archived-harvard-library/
また、現在の政治情勢と言えば、ケンドリックは、オバマ大統領が退任した際に、「俺達はみんなオバマ大統領に大きな恩恵を受けた」と語っている。オバマと会う写真や、人生において師となる存在がいることがいかに大事なのかを語った映像はこちら。
Kendrick Lamar - Pay It Forward from Top Dawg Entertainment on Vimeo.
とにかく、いきない「IV」とサインを出しておいて、何も発表されないことはないと思う。問題は、それが、いつか?ということだけだ。ドキドキしながら待とう!!