ボブ・ディランの新作『トリプリケート』からシナトラ、エイミー・ワインハウスなどについて語る超貴重長文インタビューも公開

ボブ・ディランの新作『トリプリケート』からシナトラ、エイミー・ワインハウスなどについて語る超貴重長文インタビューも公開

公式ウェブサイトで、新作やその他様々なことについて語る最新の超貴重な長いインタビューも公開された。こちら。
https://bobdylan.com/news/qa-with-bill-flanagan/

この中で、3枚続けてスタンダードのカバー・アルバムにした理由について、過去の2枚が、「まだ一部でしかないと気付いたから、引き続きやることにした」という。

またスタンダードのカバーをし続けることにファンがどう思うか心配するか?など訊いている。それについては、「ここでカバーしている曲は、ありきたりな、普通の人々に向けて歌われた歌ばかりだ。ボブ・ディランのファンってそういう人達なんじゃないかと思うんだ。もしかしたら違うのかもしれないけど」と答えている。

なぜここ数年ギターを弾かないのかという質問には、
「サウンドチェックと家では弾くんだ。でも、ピアノを弾いた時の方がバンドのケミストリーが良いからなんだ。ギターを弾くとバンドの空気が変わってしまう。行ったり来たりすると退屈になってしまうのかもしれない。どちらにしても僕は、リズム・プレイヤー専門であって、ソロ・ギターを弾くタイプではないし。でもピアノを弾いた時は、スティール・ギターとがっちりとかみ合うんだ。ビックバンドのオーケストラのリフのようなサウンドが鳴り響く。僕がギターを弾くとそういうわけにはいかない。違うバンドになってしまうんだよね」

さらに、フランク・シナトラにブルース・スプリングスティーンとともにディナーに招待された話なども語っている。シナトラがディランの曲を知っているようだったかと訊かれて、
「あまり知っている感じではなかったな。“時代は変わる”とか、“風に吹かれて”は知っているようだったけど。それから、“いつまでも若く”が気に入っているようだった。直接教えてくれたんだ。彼はすごく面白い人で、ふたりでその夜にパティオに立っていたんだけど、『俺と君は、ふたりとも青い瞳だ。俺達はあそこから来たんだ』と言って空の星を差したんだよね。『他の役立たず達は、この下からやって来た』ってね。それを聞いて、『うん、彼の言っていることは正しいかもしれない』と思ったのを覚えているよ」

このインタビューでは、かなり多岐にわたって語っていて、新作のテーマ、各曲について、アプローチから、なぜ10曲ずつなのか、ドラマーについて、歌い方から、故郷のミネソタについて、レナード・コーエンなど最近亡くなった友人達について、また自分について歌われた曲でどれが一番好きかとか、最近気に入っているCD(CDで主に聴くそう)、エイミー・ワインハウスについてなどなど、貴重な内容になっている。

アルバムの発売は、3月31日。詳細はこちら。
http://www.sonymusic.co.jp/artist/BobDylan/discography/SICP-5302

ボブ・ディランは、ノーベル賞受賞後に発表したヨーロッパ・ツアーを4月1日にスウェーデンから開始する。ノーベル賞を受賞すると基本的にはレクチャーをすることが義務付けられているため、ディランがスウェーデンにライブで来た際に、レクチャーをすることが期待されているが、どうなるのかは分からないそうだ。レクチャーをしなかった場合は、賞金800万クローナ(約1億1千万円)が受け取れないことになっている。

ちなみにちょっと話はそれるが、ノーベル賞と言えば、先日毎年恒例のチベットのチャリティ・イベントがNYのカーネギー・ホールであり、そこでパティ・スミスが、ボブ・ディランの”はげしい雨が降る”を再び歌った。パティの息子さんジャクソン・スミスのギターに始まり、この日はノーベル賞の授賞式よりはリラックスした感じで最後まで堂々と歌い上げていた。
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