ジャパニーズ・ブレックファストが新作発売を発表。ザ・ウィークエンドはライブ映像公開。バッド・バニーは新作を発表。新年早々のニュースをまとめて

ジャパニーズ・ブレックファストが新作発売を発表。ザ・ウィークエンドはライブ映像公開。バッド・バニーは新作を発表。新年早々のニュースをまとめて

年が明けて早速、注目、大物アーティスト達が始動している。まず、前作では大ブレイクをしたジャパニーズ・ブレックファストがそれに続く注目の新作を発表。さらに、今年様々な活動が展開されるザ・ウィークエンドが、約50分の特別ライブの映像を公開。そして、ストリーム数ではザ・ウィークエンドと並び世界一の記録を出し続けるバッド・バニーが、これまでで最も「プエルトリコ」的であるというアルバム『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』を発表した。長いインタビューも公開されている。内容も面白い。以下、簡単にご紹介。

1)ジャパニーズ・ブレックファストが新作『For Melancholy Brunettes (& Sad Women)』を3月21日に発売と発表。

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新作の中からシングル“Orlando in Love”のMVも公開した。


今作は、LAの有名なスタジオSound City (After The Gold Rush』、『Fleetwood Mac』、『Nevermind』など)で、レコーディングされ、Blake Mills(ボブ・ディラン、フィオナ・アップルなど)がプロデュース。初の正規のスタジオでのレコーディングであり、プロデューサーはその時々で変わってきたけど、 Millsとも初コラボとなる。

ジャパニーズ・ブレックファストの新作が注目されている理由は、3作目となる前作『Jubilee』が、年間ベストアルバムリストにも軒並み選ばれ、グラミー賞で2部門ノミネートされる高評価の大ブレイク作となったからだ。ツアーも単独から、フェスなどかなり精力的に世界中を回っていた。さらには、彼女の書いた自伝『Hマートで泣きながら』がNYタイムズのベストセラーリストに51週も入るヒットとなり、映画化も決定。つまり、キャリア激動の時代であり、非常の実のある4年間だったのだ。それを経て果たしてどのような作品を作るのか?で注目されている。

プレスリリースによると、この激動の数年について、「私は望んでいたものを手に入れることで、いつも誘惑されているような気がしていた。私は太陽に近づきすぎていて、このままでは死んでしまうと気づいた」とも語っている。より壮大で自信と不安が交錯するような深い世界観の作品が期待できるかもしれない。タイトルにカッコ付きで、「悲しい女性」と入っているのも興味深いと思った。一時期「悲しい女子」アーティストが音楽シーンのトレンドだったし、彼女自身は前回インタビューした際に、「自分はもう母が亡くなった悲しみからは逃れたと思う」、と語っていたから。しかし今回、結局また別の悲しみが待っていた、ということだろうか。


すでにコーチェラの出演が決定しているので、最新モードのライブが観れるかもしれない。2日目グリーン・デイがヘッドライナーの日だ。


2)新作発売直前のザ・ウィークエンドが始動

ジャパニーズ・ブレックファストが新作発売を発表。ザ・ウィークエンドはライブ映像公開。バッド・バニーは新作を発表。新年早々のニュースをまとめて - pic by Wagner Meier and Pedro Viela Getty Imagespic by Wagner Meier and Pedro Viela Getty Images

ザ・ウィークエンドは、1月24日に最新作『Hurry Up Tomorrow』を発売する。これは『After Hours』『Dawn FM』に続く3部作の最終章となる。

ジャパニーズ・ブレックファストが新作発売を発表。ザ・ウィークエンドはライブ映像公開。バッド・バニーは新作を発表。新年早々のニュースをまとめて

今年は新作を皮切りに、アルバム発売翌日に一夜限りのスタジアムライブ、その映画公開、と意欲的に活動することをすでに発表している。




さらに、そんな時に、Spotifyで25曲が10億回以上ストリームされるという前人未到の記録も達成した。



それを記念して“Billions Club Live”が行われたのだけど、その約50分間のライブ映像が公開された。

https://open.spotify.com/episode/2PbEx8o9c7rG9gyaklweox?si=d0173a2f97df478b
ソーシャルメディアでは全時代をまとめるポストをしているし、スタジアムでライブして、映画を劇場公開。テイラー・スウィフト、ビヨンセが牽引している新たなツアー、ライブのあり方の影響を早速感じたりもする。どのように彼なりにそれを推し進めるのか。今年の活躍に期待したい。


3)バッド・バニーが2年ぶりの新作『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』を発表。

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“PIToRRO DE COCO”のMVがこちら。


アルバムはこちら。

https://youtube.com/playlist?list=PLRW7iEDD9RDT_19SQk3uKFkJUCA_uGr7Y&si=lSWKr3vnmz_pprDq
最初の短編があるけど、この作品のテーマとも言えるようなちょっと切ない“温故知新”の内容となっている。

この新作に関するNYタイムズによる長いインタビューもすでに公開されている。


インタビューの内容がすごく面白い。まず今回のアルバムは最も「プエルトリコ」な作品であること。
「プエルトリコ伝統の古いリズムとサウンドが使われているけど、でもそれがこれまでなかったような、新しいサウンドに聴こえるはずだ。それは、僕が作っているから。僕の声と、スタイルと、フローによって、新しい音楽になっている」。

例えばタイトル曲は、「プエルトリコでは、最も古いリズムを使っているけど、それを探求したらメインストリームのポップミュージックのような曲になっている」。


伝統的なサウンドを今のサウンドとして鳴らす、というのはロザリア 始めここ数年のトレンドとも言えるけど、彼自身、かつては、伝統的な音楽は、年寄りのものだと思っていた。しかし、自分が成長したことで、その深みを理解し、それを自分のスタイルにできる、クールなサウンドにできる、それで新世代に紹介できると思えた。またLAなど長く住み、プエルトリコを離れたことで、プエルトリコの伝統的音楽がより理解できるようになった、とも。

レコーディングも全てプエルトリコで行い、18歳〜の若いアーティスト達を起用。彼らに機会を与えたいと思ったと。

こういう作品になったのは、「自分のストリーミング数が世界一になったら、それがどうした?」と思ったことなどがきっかけ。それよりも、「僕がここに今いる意味、この位置にいる意味は何なのか?を考えた。どうせ次は死ぬだけだから」。
それで、「地球に何かしらの種を撒きたい。自分が伝統の一部を受け継ぎ、それが若者の機会を与え、プエルトリコのリズムやカルチャーを前に進めたい、と思った」。

インタビューで語る彼の様子がすごく誠実で、感動的ですらある。しかも、こういう真面目なテーマがありつつ音楽自体は堅苦しいものにはなっていない。実際に伝統的サウンドが自然に新しいサウンドと融合し、変化、前進しているように聴こえる。実は、私は、NYで長年プエルトリコ系の人達が住む地域に住んできたので、彼らが庭や玄関で爆音で鳴らすプエルトリコサウンドを聴くのは日常。アルバムが始まった瞬間、思い切り聴き慣れたリズムだと思ったけど、全体を通して、聴き慣れない新鮮なサウンドと共存しているのが面白いと思った。

ジャパニーズ・ブレックファストが新作発売を発表。ザ・ウィークエンドはライブ映像公開。バッド・バニーは新作を発表。新年早々のニュースをまとめて

ちなみに、アルバムのタイトルの意味は「もっと写真を撮っておけば良かった」で、「かつては写真というのはすごく特別なものだった。今では何かも写真に撮るので、時に、人と一緒に撮りたくないと思うこともある。でもその人にとっては特別な瞬間だったかもしれない。つまり、その時と、人を、もっと感謝するべきだ、という意味」。

Spotifyの発表によると、2024年世界で最もストリームされたアーティストは、
1. テイラー・スウィフト
2. ザ・ウィークエンド
3. バッド・バニー

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