ビョークのセクハラ告発をフォン・トリアーが否定。ビョークが大反撃。#metoo 運動を支援。

ビョークのセクハラ告発をフォン・トリアーが否定。ビョークが大反撃。#metoo 運動を支援。

ハーヴェイ・ワインスタインのセクハラが「The New York Times」と「The New Yorker」によって暴露されたため、現在世界的にものすごい勢いで広まっているセクハラ告発の波。

ビョークが、その波を支援するために、自らのセクハラ体験を告発したことは昨日のブログに書いた通り。
https://rockinon.com/blog/nakamura/168392

ビョークはそこでは、「デンマーク人の映画監督」としか語っていなかったが、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』の監督がデンマーク人のラース・フォン・トリアーだったため、彼であることは明らかだった。その告発を受けて、フォン・トリアが、セクハラを即否定した。「The Guardian」紙が報じている。
https://www.theguardian.com/film/2017/oct/17/not-the-case-lars-von-trier-denies-sexually-harassing-bjork

「The Guardian」によると、フォン・トリアーは、デンマークの新聞「Jyllands-Posten」に「それ(セクハラ)は、事実ではない。ただし、僕らは間違いなく友達ではない。それは事実だ」「ビョークと僕の間に激しい衝突があった。それも事実であり、それはこれまでにも広く報じられてきた通りだ」と語っている。

さらに、同じ新聞に『ダンサー・イン・ザ・ダーク』のプロデューサーであるPeter Aalbaek Jensenも発言。

僕が記憶している限りでは、僕らの方が、むしろ犠牲者である。なぜなら、あの女性は、ラース・フォン・トリアーと僕とそして我々の会社すべてと足した以上に強かったから。彼女はすべてを命令しようとした。しかも1億クローネ(約17.6億円)の映画の制作を中止しようとしたんだ


しかし、これを受けてビョークが大反撃。フェイスブックで、セクハラの詳細をさらに明かしている。

https://www.facebook.com/bjork/posts/10155782628166460
「#metoo 運動の精神を尊重し、私のデンマーク人の映画監督との体験をさらに詳しく語ることで、世界中の女性達の役に立ちたいと思う。
そもそも、こういう性質のものを、公で語るというのは、感情的に非常に難しい。とりわけ、それを犯罪者達に即座に嘲笑われたりしたら。
だから、何年経っていたとしても、発言するのを躊躇してしまう人達全員に同情する。

だけど、私は、今こそ、それを語るべき時が来たと思う。
なぜなら、語ることで、何かを変えられると思うから。
なので、私の経験の中から、セクハラだと言える彼の行動をリストにしたいと思う。

1. 監督はテイクが終るごとに私のところに走ってきて私の肩をぎゅっと抱きしめた。それも長い間。すべてのスタッフの前でも、私がひとりきりの時でも。さらに、私が嫌がっていても、私をなでたりした。

2. それが2ヶ月も続いたので、監督に、私に触るのは止めて欲しいと伝えた。そしたら彼は、すべてのスタッフの前で激怒し、イスを壊した。それは女優をなで回すのはそれまで当たり前だった人の行為に思えた。その後、私達は全員家に返された。

3. 撮影期間中ずっと嫌がっているのに、具体的な描写をしながら性的に迫ってきた。場合によっては彼の奥さんが私達の隣りに立っているような時でも。

4. スウェーデンの撮影中に、明らかに性的行為のために、夜中に彼の部屋のバルコニーを昇り私の部屋に来ると脅かした。彼の奥さんが隣りの部屋にいたのに。私は友達の部屋に逃げた。これが起きた時、この問題の深刻さにはっきりと気付いて、自分の足でしっかりと立つ決意をした。

5. 彼のプロデューサーは、私がいかに扱いづらい人間だったのかという話しをでっちあげてメディアに語った。これは、ワインスタインの手法、そしてイジメ方と、あまりに見事に呼応する。私はシャツを食べたことなんて一度もない。そんなこと可能だとも思えない。(→ビョークがセットであまりに我が儘で自分が着たくないというブラウスを食べたという話しがQ誌で報じられていた。https://www.theguardian.com/film/2000/may/05/news3

6. 私は、セクハラに応じなかったし、同意しなかった。だから、その時から「扱いの難しい人」と言われるようになった。もしセクハラに対抗することを「難しい人」と呼ぶのだったら、私は喜んでそういう人間でありたいと思う。

希望。

この呪いからここで解放されましょう。

温もりとともに

ビョーク」

ビョークが冒頭に言っている、#metoo というのは、女性達が自分の経験を次々に告発する動き。ソーシャルネットワーク上でもの凄い勢いで広がっている。

また今日もアメリカの公共放送「NPR」を朝聴いていたら、この動きが性的暴行を認めているアメリカの大統領とどのように関わるのかについて論議されていた。
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