タランティーノが、ワインスタインのセクハラは「知っていた。何もしなかった自分に責任を感じる」と語る。

タランティーノが、ワインスタインのセクハラは「知っていた。何もしなかった自分に責任を感じる」と語る。

ハーヴェイ・ワインスタインのセクハラが暴露され、世界中に衝撃が走っているが、中でもクエンティン・タランティーノは動揺が隠し切れなかっただろう。自身の監督デビュー作である『レザボア・ドッグス』(1992年)から、最新作の『ヘイトフル・エイト』(2015年)まで、全9作品の制作を務めているのがハーヴェイ・ワインスタインだからだ。タランティーノは「父子の関係性だった」彼に対して「コメントを発表するのに数日必要」と語っていた。
https://rockinon.com/blog/nakamura/168392

しかし意を決して「NYタイムズ」紙のインタビューに答え、ワインスタインのセクハラは知っていたこと。それなのに「何もしなかった自分に責任を感じる」と語った。
https://www.nytimes.com/2017/10/19/movies/tarantino-weinstein.html?_r=0

「噂やゴシップとして聞いたのではなく、彼のやったことは知っていた。だけど、自分は何もしなかった」とタランティーノは語っている。

「本来だったら、それを知った時に、もう彼とは一緒に映画を作るべきではなかった」と。

タランティーノがワインスタインのセクハラについて知ったのは、彼が昔付き合っていたミラ・ソルヴィノを通してだった。ミラは、「ニューヨーカー」誌で証言した女優のひとりだ。彼女は、ワインスタインが制作した『誘惑のアフロディーテ』(1995年)に主演していたため、その時に被害にあったのだ。ミラは、タランティーノとは1995年に付き合い始めた。その時ミラはタランティーノに対し、ワインスタインに突然マッサージをされたことを伝えたそうだ。またホテルで追いかけ回し、自宅に突然やって来たことも伝えたそう。

だけどタランティーノは「もちろんものすごくショックで、本当に? 本当に? とそんなことを堂々とやるとは信じられなかった。だから、僕の中では、ミラの『魅惑のアフロディーテ』の演技が素晴らしかったから、彼が催眠術にかかったように、その時だけミラに取り憑かれていたんだ、と思ったんだ。彼があまりに彼女に夢中になっていたから、一線を超えてしまったんだ、ってね」。「だけど、自分がミラとデートし始めたので、もうそんなことはしないはずだ、問題は解決された」と思ったのだそう。

しかし、その後にもタランティーノの知る女優から、拒否しているのにホテルでワインスタインにセクハラを受けたことを聞かされ、その時はワインスタインに直接抗議に行ったそうだ。しかし、ワインスタインは、軽く謝罪したのみ、だったということ。また、タランティーノは、ローズ・マッゴーワンが、サンダンス映画祭でワインスタインにセクハラされ、示談していたことも知っていたそうだ。マッゴーワンは、ワインスタインにレイプされたと告発している。

さらにタランティーノは、その他にも噂で聞いたことがあったそうだが、それは深く追求しなかったそうだ。タランティーノ曰く、ワインスタインと近い関係で仕事していたら、そういう噂を耳にしないのはほぼ不可能だということ。それなのに、「女性の訴えを真剣に受けとめず、行動に起こさなかったことを後悔している」と。だから自分が今から何を言っても「酷い言い訳でしかない」と。

「こういうことが見逃されてきたのは、かつてそういうことがあり、誰もがそのままにしているからだ」とタランティーノ。でも「今後は女優への扱いが変わるべきだ」とも。

タランティーノは、ワインスタインに「いさぎよく責任を取るべき」と語っていて、何度か電話もしたそうなのだが、出なかったという。

また「彼はあれほどのレガシーを作り上げてきたのに、それをすべて剥がしてしまうようなことをなぜするのか分からない」とも語っている。今回の事件がタランティーノ自身の作品の見え方に影響すると思うかという質問には、「それは分からない」「そうならないといいけど」と語っている。

女優など被害者の告発はまだまだ続いていて、最近では、ルピタ・ニョンゴが、まだ大学生の時から追いかけ回され、彼の自宅に呼ばれて、子供達も一緒にいる中、彼の部屋に呼ばれ、マッサージをしてあげると裸になった話しを「NYタイムズ」紙で告発している。ルピタは、当時無名だったが、ノーと言い続け、ワインスタインの作品に出演することも拒否した。しかし、『それでも夜は明ける』で、見事オスカーを受賞している。
https://www.nytimes.com/2017/10/19/opinion/lupita-nyongo-harvey-weinstein.html
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