老舗文芸誌「ニューヨーカー」が、毎年恒例の『ニューヨーカー・フェス』をこの週末にオンラインで開催した。出演したゲストの1人がフィオナ・アップルで、10日に彼女が滞在しているというアラバマ州から3曲ライブ演奏し、Q&Aにも答えた。
ライブ映像はこちら。
https://youtu.be/kT4SZiEgJ_g
披露された曲は今年現時点では最も評価の高い最新作『フェッチ・ザ・ボルト・カッターズ』から、“I Want You To Love Me”、“Shameika”、“Fetch the Bolt Cutters”の3曲だ。
Q&Aの中では、アルバム制作や曲についても語り、「“Fast As You Can”は大好きな曲なんだけど、あの中で自分のことをクレイジーと言ってしまっている」からそれが気に食わないと怒っていた。というのも、「それはその時、人にそう言われたから書いてしまった」と。つまり、今ならそういうことはしないと言いたいのだ。
さらに「女性の皆さん、友達と結婚すればいいと思う。みんな友達と結婚するべきだと思う。性的な自由もあるし、犬もいるし、絶対に楽しいし、やりたいことは何でもできるから!」と力説し、それをムーブメントにしたいとも語っていた。
元々政治的なコメントを積極的にしてきた彼女だが、今後の最高裁判事の任命についてや、今の大統領が白人至上主義者であることをしっかり否定しようともしないことに腹を立て、「田舎に土地を買ってそこでみんなで住むしかない」「最悪なことになる」と頭を抱えていた。
また「今すごくすごく幸せで自由に感じている」とも言っていた。
それは新作で打ち明けたこととも関係していると思うが、ファンとしてはそれが一番嬉しくて、だからこうやってライブに出演し、Q&Aに答えるなんてことが実現したんだと思う。ちょっと前なら考えられない。フィオナは2017年に1度フェスに出演しているが、それ以外で自分の作品をライブで演奏するのは、2013年に『アイドラー・ホイール』のツアーをやって以来なので、今回は本当に本当に貴重な機会となった。
これはこの日のサウンドチェックの様子。彼女なりにリラックスしているのが分かる。
https://youtu.be/Mh_O0OQkK_U
この出演が決定する前、コロナ禍がしばらく経過しても誰もコロナにならなかったため、バンドと週に一度集まって演奏をしていたそうだ。そこからまた何かに発展してくれたらと思う。とりあえずこのアルバムに収録された曲を全てライブで聴きたい。