NYタイムズが製作したブリトニー・スピアーズのドキュメンタリーが大反響。ジャスティン・ティンバーレイクがブリトニーとジャネットに深く謝罪する


ブリトニー・スピアーズのドキュメンタリー映画『Framing Britney Spears』をNYタイムズ紙が制作。現在、アメリカではHuluで観られる。


予告編

https://www.youtube.com/watch?v=qZ530tV3RT4&feature=youtu.be

https://www.youtube.com/watch?v=ccAzh-7AFyY&feature=youtu.be

ブリトニーの今とキャリア全般を新たな側面から検証したこの映画は大反響を呼んでいるのだが、そこにジャスティン・ティンバーレイクとの関係性も描かれている。それを受けて、ジャスティンがすぐに謝罪文を発表した。


このインスタの投稿の中でジャスティンは、具体的に何をとは語っていないが、ブリトニーの他にジャネット・ジャクソンにも謝罪している。以下要約。

「皆さんからのメッセージや、タグや、コメントや、懸念を見ました。なので、それに答えたいと思います。
これまでの人生において、不適切な発言をしたり、正しいことを言わなかった僕の行動が問題の一因となった時期があったことを深くお詫びします。力不足だったと分かっていますし、また、女性蔑視、人種差別を容認するシステムから僕は恩恵を受けていたと思います。

とりわけ、ブリトニー・スピアーズと、ジャネット・ジャクソンには謝罪したいと思います。
彼女たちのことを大事に思っているし、尊敬しているのに、僕は間違いを犯しました。

さらに今回これに答えることが大事だと思ったのは、ここに関わった人達はみんな、より良い扱いを受けるべきだと思ったからです。さらにもっと大事なのは、ここで語られていることは、より大きな問題であり、僕もその問題に取り組んでいきたいと心から思っているからです。

この産業には欠陥があります。それは男性、とりわけ、白人男性が成功をするようにできているのです。そのように作られています。なので、その特権を与えられた位置にいる男として、それについて声を上げていかなくてはいけないと思っています。僕がこれまでそれを無視してきたせいで、自分の人生でそれが有利に働いている時に、それを全く認識していませんでした。でも、そのせいで引きずり下ろされている人から二度と恩恵を受けたくはないのです。

僕はこれまでのキャリアにおいて、それを全く完璧に操縦できていませんでした。それに今回の謝罪も、最初の1歩でしかなく、過去の過ちを放免するものではないことも分かっています。自分の失敗の責任を取りたいと思っていますし、これから世界をより良くするために、支援し関わっていきたいと思っています。

自分の愛する人、愛してきた人達が健全であるようにと深く願っています。また、僕自身もより良い人間になり、より良いことをしていきたいと思っています」



ブリトニーのドキュメンタリーには何が描かれているかと言うと、彼女を自由にして欲しいと訴える「#freebritney」というファンの運動が起きていることを発端に、彼女の父親が、現在39歳の彼女の成年後見人を12年間も務めており、財産やキャリアのことから、セキュリティガードに誰を選ぶか、彼女が誰に会っていいのか、車は運転してはいけないということまで事細かに監視しているということ。また、彼女がいかに小さな田舎町からポップスターとなっていったのかなども描かれている。


しかし、最も話題となっているのは、当時は現在ほど女性蔑視や、精神的な面でのケアについてメディアも世間もまるで認識しておらず、ブリトニーがどれだけぞんざいに扱われてきたのかが痛々しいほど分かることだ。彼女の胸が本物なのかとか、バージンなのかということをTVで10代の彼女に平気で訊いたりする。また、髪の毛を剃った時、本来は彼女の精神状態を心配するべきなのに、世間的にはそれが笑いになっていたことなども。その中で、ジャスティン・ティンバーレイクも、彼女の浮気など彼女を貶めるような発言をしてきたことが描かれているのだ。

ファンは、そんな監視下にあるブリトニーが、インスタで秘密のメッセージを送っているのではないかと懸念していたりするのだ。


彼女のインスタはどれもどこか痛々しくて、自分で全部投稿しているとは思えないし、本当の彼女の今の精神状態がよく分からないままなのが最も心配でもある。


パラモアのヘイリーなどもブリトニーを支援するツイートをしている。「彼女のような人が犠牲にならなかったら、メンタルヘルスに関する問題が今のように認識されていなかった」と。


またマイリー・サイラスは、スーパーボウルのイベントでパフォーマンスした際に「ブリトニー、愛してるよ」と言っていた。



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