ビリー・アイリッシュの待望のドキュメンタリー映画『ビリー・アイリッシュ:世界は少しぼやけている』の配信がとうとう開始した。
Apple TV+でどうぞ!
https://www.apple.com/jp/apple-tv-plus/
https://youtu.be/sf2EzBQiTr8
また映画のプレミアの際に息を飲むような”ilomilo”のパフォーマンスを披露している。映像はこちら。
https://www.youtube.com/watch?v=PohpFZZ-bMI
私はもう映画を観たので、ここにレビューを書こうと思っていたんだけど、3/5発売のロッキング・オンに掲載されるので、ぜひそちらを読んでください。
簡単にだけ言うと、2時間20分もあるのに、その全秒が感動的。
予告編はこちら。
https://www.youtube.com/watch?v=BWTODUKlVnU&feature=youtu.be
10代の女の子の成長物語と、キャリアの成功物語があわさった、泣けないわけがないこのドキュメンタリー映画(涙)。しかも、その主人公がビリー・アイリッシュなわけだから!
キャリアについては、ビリーのデビュー作のレコーディングから、史上最年少でグラミー賞の主要4部門を全部獲得するといった歴史的な瞬間までとらえられている。ビリーがアーティストとして成功するまでの過程における、様々な初めての体験を描きながら、同時に、16歳、17歳という1人の人間としても多感な青春時代を映している。つまり初の成功を、誰にとってもすごく複雑な時代に経験しているというその切なさと痛さと、喜びの全てが混じり合っていて、胸がドキドキし、張り裂けそうにもなる作品だ。
ビリーが作ってきた作品そのものが分解されて映像になったような映画、ともいえる。さらに、これまで雑誌に、テレビに、ものすごい露出をしてきた彼女が、この映画では、また全く違う視点から見えるというのも奇跡的、というか、彼女の深さ、複雑さを改めて実感する。
以下、今日のQ&Aで言っていたことを要約。
●タイトルについて。
「自分の全曲の歌詞を見て選んだ。『世界は少しぼやけている』というのが、この映画の全体像を捉えていると思った」
「10代として青春時代を経験している中で、成功を体験していることに、どこか『曇っている』ところがあるように思えた。実際、16歳の自分と19歳の自分は大きく違う」
●LAで育ったことについて。
「LAで育ったことが自分の人格形成に大きく影響したし、助けてくれた。LAは美しい場所」
●映画を作ることにした理由。
「やりたくなかったけど、やった(笑)。どうしてやることになったのかも覚えていないくらい。それよりも、自分が成功する前に撮影が開始したから、えっ?と思っていた。子供の頃からドキュメンタリー映画を観てきたから、みんなが自分のドキュンタリーを観たがるなんて思わなかった。でも子供の頃から親が撮った自分の映像はすべて見ないと気がすまなかった」
●デビュー作のレコーディング映像について。
「今見るとすごく変な気分だし、狂ってる。あの時自分では自分はすごく大人だと思っていたし、自分はすべてを知っていると思っていた。でも今見ると、何も分かっていなかったことが分かる。つまり良いアルバムを作るのに、天才である必要ないという証拠だと思う」
●キャリアと友達。
(映画の中では、キャリアで成功するのは嬉しいけど、本当に会いたい友達と離れ離れになる辛さについても描かれている)
「自分が人生で一番孤独だと感じた瞬間は3万人の前で歌った直後に、楽屋に戻った瞬間。自分のスタッフや家族はライブを見ているから、楽屋に戻った瞬間はいつもたった1人でいきなり何の音もしなくなる。最初はそれがとにかく孤独で、落ち込まないようにするにはどうすれば良いのかを考えなくてはいけなかった」
●映画を観て。
「初めて観た時に、自分を守るために、このシーン、あのシーンを削除してと言おうと思った。だけど、すぐに自分のことは忘れて、客観的になり、第三者的な立場から自分を見なくちゃいけないと思った。わがままになってはいけないし、嘘もついてはいけない。ここには、起きていたけど収録されていないこともたくさんある。だけど、嘘を伝える映画にしては絶対にダメだと思い直した」
●最悪の瞬間。
(映画の中で、彼女がやりたくないことをやらなくてはいけない場面が出てくる。また、たった1人に悪い態度をとったら、それが即ネットで広がってしまった)
「起きた出来事から自分がまだ立ち直ろうとしている時に、巨大な責任が自分に降りかかってくる。でもそれをできないとは言えないから、それより大きな人間にならなくてはいけないと学んだ」
●映画の中で、「ファンは自分の一部だ」というシーンがある。これまでファンに会って一番感動した瞬間。
「これはまだ誰にも言ってないんだけど、1年くらい前にお店でファンの子に会った。彼女が私に気づいて、私も彼女の目を見て、微笑んだら、彼女が私に走って来て、抱きついた。私も何も語らずに抱き返した」
そう言って、ビリーは泣いていた。
最後に「怖いけど、みんな私を批判しないでね。映画を楽しんで。体を大事に、安全に、またね。みんなと会える日が楽しみ!」と言って終わった。
映画に出てくるライブ映像からの音源“ilomilo”。
(ビリーは、この歌詞から映画のタイトルを選んだ)
またビリーはこの映画用のグッズも発売している。
https://twitter.com/billieeilish/status/1364289843413413888
現在レビューがどんどん発表されているが、ほぼ絶賛で平均しても97点に上がり、トップの批評家のみだと100点が付いている。
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