チャーリーxcxが現時点で今年最高と言える評価を得てる『Brat』を発売したが、
https://rockinon.com/blog/nakamura/209648
https://www.metacritic.com/browse/albums/score/metascore/year/filtered
その中にロードとの仲違いについて歌っているのでは?と噂された曲があり話題となった。
”Girl, so confusing”という曲。
しかし、週末にその曲でロードとコラボしたのだ。それが最高。
何が最高かと言うと、この曲のタイトル通り、「女子って、時々めちゃ面倒」と言う女友達との複雑な心境をお互いの立場から正直に打ち明けているところ。それがすごくリアルで感動的なのだ。
ここ数年、女性アーティストの活躍や成功が目立っているけど、この2人は、その中でも、エッジがあるし、よりオルタナでクールな存在。その2人がコラボしたらカッコ良くならないわけがない。
ここで面白いのは、現在女性アーティスト達がかつてのように対決するのではなくて、結束する方向にある中で、本当は嫉妬したり、競争心があることを本音で語っているところだ。表面的な団結ではなくて、腹を割って正直に言えたからこその本当の意味での結束、エンパワメントに繋がっている。だから、トレンドでありながらも誰よりも上を行っている感じがする。しかも、それでいて軽やかなポップソングであるところが最強。
この作品が発表された時から、この曲はロードについてなのでは?と言われていた。なので、ロードは先手を打って、「私が生まれて初めてプリセーブしたアルバムが今日発売になる」とインスタしていた。「チャーリーはこれまでにないアルバムを作った。度胸と優雅さがあり、リスクを負って成功している。みんなを代表して言うけど、チャーリーの作品に感動し、自分が変化できて光栄に思う。彼女みたいな人どこにもいないから」と。
この曲がロードについてなのでは?と言われた理由は、例えば以下の歌詞から。
《 みんな私たちは似てるって言う
髪が同じだと
一緒に曲を作ろうよって言うけど
本音なのかよく分からない
あなたが本当に私に会いたいのかもよく分からないし
何度かやろうとしたけど失敗に終わった
それにあなたには自分の気持ちも分かってない
でも私には分かるような気がする 》
という箇所で、2人はデビュー時がほぼ同じでよく比べられたし、
チャーリーは昔、ロードに間違われてインタビューに答える場面なども
映像で残っていたりする。見た目が似ているとよく言われていたのだ。
それで今回のコラボ曲での2人のやり取りは以下の感じだ。
チャーリーがまず歌う。
《 まじで、あなたが私のこと好きか分からないし
私のこと嫌いなんじゃないかと思うこともある
私も嫌いかもと思うこともあるし
あなたは私になりたいだけかもしれない
いつも『一緒に遊ぼうよ』って言うけど
レストランに行っても
なんか変な空気で
共通点もないように思える 》
ロードがこれに対して書いた歌詞は以下の通り。
《 正直に言って言葉にならなかった
朝起きてあなたのボイスメールを聞いた時
あなたがこれまで思っていたことを打ち明けて
リミックスをしようと言ってくれた
あなたはいつも『一緒に遊ぼう』って言ってくれるけど
私は考えすぎて
あなたと一緒に写真を撮られるのが怖かった
この数年
自分の体のイメージと戦っていたから
お腹を空かせて痩せようとしたり
すぐにリバウンドしたり
それが嫌で悩んでいる時に
あなたの人生は最高に見えた
考えたこともなかった
私の声をあなたが考えているとは
”ガール、あなたはビッチみたいな歩き方をする”
10歳の時に言われたことがある
そうやって自分を守っていたんだと思う
でも頑張りすぎて武器になっていた
彼女は私に投影して信じていたのだと思う
今なら分かる
彼女はアイコンだけど
中身は、エセックス出身のただの若い女子だってこと 》
それで2人で
《 みんな私たちは似てるって言う
髪が同じだと
私とあなたはコインで
業界は使いたがってる
だけどこれをうまく成功させたら
インターネットは大騒ぎになるはず
あなたの本心が分かって良かった
だってチャーリー、私は、あなたのためならなんでもするから 》
と、ロードが歌うとちょっと鳥肌が立つくらい。
そして最後にチャーリーも
《 私だってあなたのためになんでもするよ 》と囁いて終わるのだ。
感動的なのに、軽快なポップソング。
チャーリーは、この曲が出る前に
ローリング・ストーンUK版のインタビューでも、
ロードが2013年”Royal”で大ヒットした時に「めちゃくちゃ嫉妬した」と打ち明けている。
「彼女は私の音楽が好きだったし、大きく広がる髪の毛も似てるし、
彼女は黒のリップスティックを付けていて、私も付けていたことがあった。
2人の似てるところを並べてみると、『彼女の代わりに私がヒットしていたかもしれないのに』と思ったりもした」
さらに、この曲が誰についてかは明かさずにインタビューで何についてなのか語っていた。
13分くらいから。
女性アーティスト同士の団結のおかげで、個人的には音楽シーンが一歩前進したと思っていたけど、ここで本音を言い合うことで、さらにそこからまた一歩前進したように思える。「まだ、誰についての曲なのか、明かすか明かさないか決めてない」と言い、
「今のポップミュージックの世界って、『女性アーティスト同士でサポートしよう』『女性が大好き』『フェミニストだから!』って、感じで、それはまず素晴らしいと思う。大好きなんだけど。
でも、全ての女性と気が合わなかったからと言って、悪いフェミ二ストである、ってわけでもないでしょ。
人間の本質ってそういうものじゃないから。
競争心とか、羨みがあって、さらに仲間意識もあって、色んな関係性があって当たり前だと思う。
でもエンターテイメント業界で仕事していると
みんなの様子を見ながら、合わせてやっていることがある。
『わあ、会えて嬉しい』って写真を一緒に撮ったり。
でも次の瞬間には、『あの人が羨ましい』って思ったりして。
さらに次の日には、『いやあの人は最悪』って思い直したり。
みんなそう思う経験ってあるはずなのに、誰もそれを正直に打ち明けない。
とりわけ女性アーティストに関しては、メディアが女性アーティスト達が
争うように仕向けたりすることが問題になっていたりするから、
誰も何も言わないけど。
でも実は書き立てられていることって完全に作り話でもなかったりする。
火がない所に、煙は立たないって言うでしょ」
ちなみに、チャーリーのこのアルバムには、テイラー・スウィフトをディスったと言われている曲もある。”Sympathy is a Knife”だ。
ここで、
《 彼氏のライブのバックステージで彼女に会いたくない
だから密かに願ってる
すぐに別れますようにって 》
と。チャーリーがThe 1975のドラムのジョージ・ダニエルと付き合っていて婚約したので、テイラーがマット・ヒーリーと少し付き合っていた頃について歌っているのだろうと思われている。
チャーリーはこの曲について、「自分の自信がないところを突いてくる女性について歌った」と語っていた。
https://x.com/AtlanticRecords/status/1729548986338431145https://x.com/billboard/status/1729564064064393378
しかし最近彼女がサンパウロでDJしている時に、「テイラーは死んだ」と観客からのチャントがあったために、チャーリーがインスタでコメント。
https://x.com/Variety/status/1805014673047318759
「ライブでもネット上でもこんなこと言うの止めて欲しい。
これは、私がやりたいことの真逆だから。
このコミュニティで、そんなこと許されると思っている人がいること自体が本当に嫌になる。
我慢できない」
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