『アバター』、HERE WE GO!!!!!
2009.12.21 14:06
至上最高の興行成績記録保持者(もちろん『タイタニック』で)、ジェームス・キャメロン渾身の最新作『アバター』がアメリカの劇場を襲った!彼の描きたい世界を現実のものにするために、技術が追い付くのを待っていたこの作品。もちろん最高の環境で観なくてはと、公開日にIMAX 3Dシアターに行った。映画は始まる前から始まっていた。一応1時間前に行ったら冗談じゃないよ、というくらいすでに長蛇の列。その大半が男子で、それもピーター・ジャクソン的にナーディな感じではなくて、全種類の男子。将来のヴァンパイア・ウィークエンドみたいな金持ちアッパー・ウェストサイドのインテリ・キッズみたいなのから、会社半休でやって来たスーツをピシッと着たウォールストリート・エグゼクティヴみたいな人から、IMAXで観たくてやって来た田舎のキッズから、列を割り込みしようとして、高校生に注意された年配のゲイのカップルから。そういう意味で男子をユナイトした作品。実際、前売りの統計によるとチケットを買った人の73%が男子だったそうだ。女子は、あの青い主人公達が、どうも好きになれない、ととりあえず来なかったのだろうか(笑)?
この列にあるのは、興奮。そして劇場に行って観なくていけないという体験だ。うっ、チープなコピーみたいだ(汗)。
映画についてはあまり語りたくない。これはそれぞれの人が、劇場に行って映画を観る、ということがどれだけ興奮する体験だったのかということをもう一度思い出させるために作られた作品だと思うから。つまり、キャメロンは、いかに最新の技術を使ったとは言え、その点に関しては、オールドファッションなのだ。YouTube ができ、巨大フラット・スクリーンのTVが家にあり、以前より早いペースでDVDは手に入るようになった。映画の世界に心を奪われる体験。最後にしたのはいつでしたか?とでも言うような。3Dという新技術があったからそれを更新することができたのだと思う。しかも、3Dだから、その世界はすでに自分の周りに存在する。個人的にそれが好きだったかどうかは別として、キャメロンの意図はそこにある。そして、アメリカのレビューも絶賛に近い形だ。
ただ面白いのは、男子が今のところ観客のほとんどというこの作品。ミッドナイト・ショーの興行成績は、350万ドルだった。一方、記憶に新しい『ニュームーン/トワライト・サーガ』のミッドナイトは2630万ドルだ!!!!そして、週末の興行成績は今のところ『アバター』は7500万ドルくらいだろうと言われているが、『ニュームーン』は1億4200万ドルだった!!!!!私なんてIMAXの3Dで観たので、チケットの値段は20ドル。つまり、観客数から言っても、『ニュームーン』のほうが断然多かったということだ。制作費は、『アバター』3億ドル(5億ドルという噂もある)。『ニュームーン』5000万ドル。株主総会で誉められるのはもちろん『ニュームーン』だ。『アバター』に比べたら『ニュームーン』のCGなんて小学生並なのに。
皮肉なことに、キャメロンの史上最高記録映画は、より『ニュームーン』的なラブロマンスで、世界中の女子が観に行った作品だった。この作品にラブロマンスはあるし、主人公は上半身裸というか、ほとんど裸だが、青いってだけでなく、ジェイコブのようなマッチョな体ではなく、スパモのようなガリガリさ。また、エドワードのようなヘアスタイルでもない……。もう少しかわいかったら良かったのに……と、構想何十年とか、3Dとか、パンドラとか、映画の体験とか興奮とか、どうでもいいし、と女子は本当に思っていそうだ(笑)。男子パワー、この現実的な(?)女子パワーに勝てるんでしょうか?そして、ぶっちゃけ本当にもう少しかわいくしても良かったのに(笑)。この女子パワーを無視してはいけない。
写真の観客がかけている3Dメガネわかりますか? カニエのサングラスみたいな形になっていた。