ブランドン・フラワーズのソロ・ライブを観た

ブランドン・フラワーズのソロ・ライブを観た

今日は、ハイラインという会場で、ブランドン・フラワーズのソロ・ライブだった。まだアルバムが発売されてないので、完全にウォームアップ・ギグなわけだけど、あり得ない盛り上がりでびっくりした。いくらソロとは言え、マジソン・スクエアを簡単に完売する人が、キャパ700人は、そりゃ盛り上がるだろう、ということか。オーラとカリスマ性がこの会場ではおさまりきれない感じだった。「今日ここには愛が溢れている!」とブランドンも言っていたけど、本当に大歓迎ムードで一杯。びっくりしたのは、女の子たちのキャーキャー声は理解できるものの、結構厳つい男の子たちも後ろのほうに一杯いたこと。こんながっちりしたファンもいたのかとそれが意外だった。


このソロ作は、ブランドンが、いかに優れたメロディ・メーカーなのかということを示すような作品で、しかも、ここで目指していることも究極的にはキラーズと同じだ。だから今日も、基本的には、きらびやかで、メジャーで、観客に踊れ!というようなパフォーマンスだった。少し影が強いのがより深い表現力を出している、とは言えるかもしれない。これまでとの大きな違いは、女性コーラスのハーモニーが異様に美しくて、より繊細で感動的な効果をもたらしていたことだった気がする。


というわけで、基本的には盛り上げ続けるパフォーマンスだったんだけど、アンコール前の最後に演奏した"Playing with Fire"のギターがヘビーで曲全体がずっしりと重く、アルバムでもこんな曲だったかな?と思うほどの壮大な演奏だったことが少しびっくりした。それでライブをずっしりと締めて終わったのがとても良かった。


さらに、アンコールでやったキラーズの”When You Were Young"のアコースティック・バージョン。これは涙ものの鳥肌ものだった。というとソロは何なんだということになってしまうが、これを聴くだけでチケット代の価値あったかもというくらい。どっかにYouTube上がってないかな。アコギと彼のボーカルだけで、これだけの表現が出せるんだというパフォーマンスの素晴らしさと、曲の素晴らしさに、改めて大感動。これから発売されるロッキング・オンの最新号で、この曲が収録されている『サムズ・タウン』の評判についての話をするくだりがあるのですが、そこで削って紹介できなかったこと。彼が言ったのは、「あのアルバムには、”When You Were Young"という本当に素晴らしい曲があって、もしそれ以外の曲が全部くずだったとしても評価されてもいいくらい、この曲は素晴らしい曲だと思う」と自信一杯に言っていた。この日のパフォーマンスは、正に、全批評家に向けて、どうだ!と言わんばかりの誰も文句を言うのは不可能な本当に見事なアレンジだった。


というわけで、もちろんソロ作1枚しかないので、ライブ自体は1時間くらいのものだったが、全体としてはメリハリがあって表現力豊かな思い切りパワフルなソロ・デビュー・ライブだったと思う。ソロの後、バンドに戻っても、ブランドンがここでひとりで鍛えられたことは、絶対にバンドに良い方向に活かされるだろうなあと思う。以下セットリスト。記憶に頼っているので、少し間違っていたらすいません。


今”When You Were Young"のアコースティック・バージョンをYouTubeで見つけたのですが、シカゴのライブで観客うるさすぎ!!観客の大合唱しか聴こえなくて、私が今日観たのと全然印象が違う!笑う。シカゴの観客の音痴な大合唱を聴きたい方はどうぞ。
http://www.youtube.com/watch?v=hKNHKURgkPM&feature=related


それでは、日本はまだ暑いようですが、皆様よい週末を!NYは秋の気配です。


On the Floor
Crossfire
Magdalena
Bette Davis Eyes(cover)
Jilted Lovers & Broken Hearts
Was it Something I Said?
Hard Enough
Swallow It
Playing With Fire


encore
When You Were Young
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