ボナルーレポその7:もうひとりの主役観客のみなさん

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ライブを観るのがもちろん最大の目的だけど、個人的には、色々な所から集まって来た色々な年代の音楽ファンの話を聞くのもいつも何より楽しみ。


例えば、バスに乗って会場に向う時に前の席に座っていた、サンフランシスコからやって来たという4人組の男性。


50代くらいでしょうか?最初は、デッドについて熱く語りあっていたので、なるほど、と思って聞いていたら、「昨日のマイ・モーニング・ジャケットとアーケイド・ファイアは素晴らしかったよね」と、しっかり新世代バンドも観に来ていて感動。ひとりの方に至っては、その前の日になんとディアハンターも観て良かったとまで言っていた。息子さんに見たほうがいいと言われてきたとのことだった。皆さんボナルーの常連さんのようだった。


かと思えば、飛行機の隣に座っていたボストンの大学生は、普段はNASとダンス系しか聴かないけど、今回友達に誘われて来て、ロックをちゃんと聴いてみたら感動したと。彼もマイ・モーニング・ジャケットを初めて観て感動したと言っていて、もっと驚いたのは、「ロバート・プラントはやっぱり真のロック・スターだよね」とまで言っていたこと。


なんと言うか、フェスの役目がしっかりと果たしているように思った。


若い世代も年配の人達も、今の音楽または知らなかった音楽に耳を傾けて、素直に感じて吸収して帰っている。それは、フェスの主催者が観客とそしてミュージシャンと一緒になってこの場を作り上げて来たからだと思うのだ。みんなしっかりと”今”を生きていると思えた。


チケットは4日券しか発売されないのだけど、早割だと200ドルから始まり、4段階に値上がりしていって最終的には、手数料、税込みで272ドルまで上がる。でも、これにはキャンプ代も入っている。安いと思うんですけど。バッファロー・スプリングフィールドと、エミネムと、アーケイド・ファイアと、ストロークスが、それぞれ1時間半から2時間のライブをやってこの値段。


帰って来てU2のチケットを買おうかなと思ったら、それが268ドルだったので、益々そう思った。


ボナルーにあっていつも賢いなあと思うのは、シャンプー会社がヘアサロンを出していること。


キャンプしている人達がほとんどなので、これは便利。もちろんタダで洗ってくれるし、スタイリングもしてくれたりする。とりわけ今年は4日間とも死ぬほど熱くて、みんな汗だらだらだったし、とにかくホコリの舞い方が凄かったから。


会場には、雨が振った時に備えて、あらかじめ海の砂が敷いてあったりしたのだけど、最終的にはピーカンで、気分は常にビーチだった。みんなの格好もそうだったし。実際は農場なんだけど。


それといつも便利だと思うのは、メインステージの最前列モッシュピットが全アクト入れ替え性になっているということ。最後に出てくるヘッドライナーを目的で永遠に場所取りして、途中で倒れるなんてことないし、誰もに同じように一番前に行く権利があるというのは、素晴らしいアイディアと思う。


空撮されている写真は、右側のステージがセカンドステージで、左がメイン。ボナルーの良いところは、移動が簡単なこと。すべてのステージを一周しても、20分くらいかな。だからイマイチだったらすぐ隣のステージに移動できるし、または、掛け持ちした時はそれも可能。


フェスが終わって空港に向うバスの中でも、空港に着いてからも、みんな手にブレスレットを付けたままでびっくりした。とりあえずお名残惜しかったんだと思う。かわいいなあ。私なんてやっと外せると思ってビニールだから切れないのに、思いっきり引きちぎったのに。すれた業界人でしょうか?やっぱり。


バスの中でも、空港でも、「楽しかった?」と訊くと、みんなもう話しだしたら止まらないので、それが見ていて一番感動的だ。帰りの飛行機でも、隣の男の子は、とうとう2時間しゃべり続けで、iPhoneで撮った自分が踊ってる写真から何から全部見せてくれた。知らない人にこの勢いだから、きっと家に帰っても同じことをするんだろうなあ。来年も絶対に来たいとすでに作戦を練っていた。


日本の皆さんで、今年はフェスに行くか悩んでいる方、やっぱり行ったほうがいいと思いますよ!私も毎年いくつも行くけど、やっぱりフェスは楽しいと確信して帰って来ました。




空撮の写真クレジット:Photo by C. Taylor Crothers
夜メイン会場(エミネム)が後ろまでパンパンの写真クレジット:Photo by Adam
Macchia
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