もう1本Bon Iverの曲を完璧に使う映画”RUST AND BONE”。トロント映画祭その3

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音楽が効果的に使われているという点においては、ハーモニーの映画と並ぶ”RUST AND BONE”。これは、始まりがBon Iverで終わりもBon Iver。

マリオン・コティヤールが主演のフランス映画なのだけど、音楽の使い方が効果的なだけでなくて、映画としても素晴らしい。先に公開されたカンヌ映画祭での評判も上々だった。

あまり内容を明かさないほうがいいと思うんだけど、物語的には、肉体的にもかなり激しい展開が繰り返されるのだけど、この映画に映し出されているのは、主人公達の内面の哀しみや叫びのほうなのである。Bon Iverの音楽が最初に流れることで、どこか外観の雑音をシャットダウンして、映画を観ながら対面しているのは主人公達の内面の声、というムードに設定される。そして最後に流れるBon Iverは、主人公達の激しい物語をどこか穏やかな静粛な場所におさめてくれる、そんな効果があるのだ。

また、さらに驚きなのが、先にカンヌ映画祭で観たレポーターが書いていたのだけど、ケイティ・ペリーの”ファイアワーク”が流れるシーンがあって、これが本当に思いきり感動的だった。

ちなみにこの映画を観たのも朝8時45分。それなのにBon Iverの曲が一瞬にして映画の世界へ引き込んでくれる。それで、こんなに良かったと言っておきながら、情けないのが、今どの曲だったかとメモを見たら暗闇で書いたせいで意味不明。たぶん”Wash”と”The Wolves”だったと思います。違っていたらすいません。何しろ朝から晩までこの私がご飯も食べる時間がないくらい忙しく映画を観ては取材しての繰り返し×現時点で4日間なのでお許しください。

最初に書いたように映画としても素晴らしくて、マリオンのみならず、主演の男優マティアス・スーナールツの演技も見応えたっぷりで、これからさらに人気が出るのではないかと思う。

監督は『真夜中のピアニスト』、『預言者』のジャック・オーディアール。日本での公開情報は現時点では残念ながら見付からなかった。でも公開されないわけはないと思う。
(写真1枚目photo by Kevin Tian)
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