「人為的気候変動は現実であり、我々はその代償を払っていくことになる」。ハリケーン直後、NY市長、州知事、上院議員が発言
2012.11.05 11:00
1週間もブログを書かずにすいませんでした。私は、マンハッタンのダウンタウンに住んでいるのですが、NY近郊を襲ったハリケーンサンディのせいで、月曜日の夜から金曜日の夜まで停電となってしまいました。とは言え、電気がなかっただけで、命を失ったわけでもなく、家を失ったわけでもなかったし。9.11のテロ後の恐怖もなかったし、ましてや日本の震災のことを思うと、キャンドルでの生活はむしろピースフルだったと思うくらいです。6時45分になるともう真っ暗で、やれることも限られ、おかげで買ったばかりのニール・ヤングの自伝をキャンドルの灯りで、読破してしまいました。NY市は、去年ハリケーンアイリーンが来たため、今回は可能な限りの準備が整えられていたと思うし、何よりNY市長がかなり合理的かつ論理的な決断をバシバシ下し、リーダーシップを取っていたので、それが安心材料でした。最後に、日曜日に行われることになっていたNYマラソンをやると言ってしまって、それが避難轟々でしたが……。すぐに取り消したのですが、ちょっと残念な結果になってしまったと思います。当然、都市の機能は完全に麻痺しましたが、現時点ではパニックになることはなく、みんな辛抱強く頑張っていると思います。もちろん、いまだ復旧の最中にいる方々を除いてですが。州知事も、市長も、「NYにとっては非常に辛い時期ではあるが、ニューヨーカーはこれまでにも闇を経験してきた。我々は葛藤が何たるかを知っているし、危機が何たるかを知っている。しかし、それでも復活した。より強くなって復活した」。だから今回も頑張れるはずだと市民を励ましました。本当にこういう災害を通じてコミュニティが強くなっていくのを実感しています。
今回唯一の情報源だったラジオを聞きながら、励まされたことは、去年のハリケーンに続き、今回のサンディがNYを襲ったことで、政治家が異常気象の増加は、人為的なものであると明言し、即座に対処しなくてはいけないと強く訴えたことでした。市長も、記者会見において、NY市の機能がこんなに簡単に破壊されてしまったのは、この街はこれまでハリケーンが襲うような場所ではなかったために、そのように街が設計されていなかったからだと語り、その原因が何であれ、ハリケーンがNYを襲うようになってしまったことは現実であり、それを今後無視するのはあまりに愚かであると発言していました。
http://www.nytimes.com/2012/11/02/nyregion/bloomberg-endorses-obama-saying-hurricane-sandy-affected-decision.html?pagewanted=all&_r=0さらに、NYのアンドリュー・クオモ州知事が、「我々は、NYを再建するだけではなくて、改善しなくてはいけない」と言い、「異常気象は、人為的気象現象に関係している」と明言したことが話題になっています。以下彼の発言です。「気候に劇的な変化がないと言う人は、現実を無視している」。「今回の災害で我々が学ぶべきことは、人為的気象現象は現実であると認知しなくてはいけないということ」。「異常気象は現実であり、我々の都市が簡単に破壊されてしまうということは現実である。だから、我々が人々に選ばれた政治家としてここでやるべきことは、このような被害を想定して、街を建築し直すことであり、いかに進化させることができるか考えることであり、必要な修正を行うことである」。「我々が今ここで、これは一生に一度の大災害でありもう二度と起きることがないと考えるのは、あまりに軽卒だ。私は、このような被害は再び起きると思うし、もちろん起きないようにと祈るが、しかし絶対に起こると思っている」。「NY州の海岸沿いを浸水から守るための作業は、大々的なものとなるべきだし、しっかりと考え抜き、しっかりと計画をする必要がある。しかし、最も大事なことは、我々がこれまでもっと早くから討論すべき問題を後回しにしてきたことである。その討論を今すぐに始めなくてはいけない」と語りました。また、NY上院議員のチャック・シューマーも、「我々はこの人為的気象現象の代償を払っていくことになる」と発言しています。NY市長のマイケル・ブルンバーグは、2008年には、大統領候補の支持を表明しなかったのですが、ハリケーン直後に、オバマ支持を表明しました。市長は、異常気象の原因が人為的なものであるかどうかの明言は避けながらも、以下のように発言しました。「気候は変動している。その原因が人為的なものであるのかどうかについては定かでないにしろ、NY市や世界中で、これまでになかった異常気象が増え、危険が増しているというのは事実だ。そしてその事実だけでも、気候変動の対策に即座に取り組む姿勢である大統領を選ぶべきだということは、あまりに明らかである」「ハリケーンサンディがNY市とその近郊に災害をもたらしたことはーー命を失い、家を失い、仕事を失った方々がいたことは、火曜日に行われる大統領選挙の意味合いをより明確にした」と語り、環境、エネルギー問題により取り組む姿勢を表明しているという理由で、オバマを支持すると発言しました。そう言えば、ラジオを聞いていて今回知ったこと、もうひとつ。例えば今回のハリケーンは、普通だったら東にそれていくべきものが西に急激に曲がるというこれまでだったらあり得ない正に異常現象だったわけですが、現在最新のテクノロジーにより、衛星からHDで撮影ができるため、西に曲がるというのは、もう1週間前からその経路も含め、かなり正確に分かっていたそうです。なので、天気予報というのは、いままでに増して正確なのだということ。しかし、心配なのは、それによるとまた来週もハリケーンが来ると言われていることです……。今回のハリケーンでNYの政治家が異常気象に対する早急な取り組みを訴えたことが、どうかムーブメントになり、全米に、世界に広がっていくことを強く願います。最後に、亡くなった方達のご冥福をお祈りするとともに、街が一刻も早く復旧するように私もできるだけ協力をしていきたいと思います。そして、火曜日は大統領選挙……それはそれでまた心配なのですが……。ちなみに、写真は家の近所の大木。見事にばたんばたんと倒れていました。