なぬ!? Jay-Z新作発売でレコード協会ルール改正。発売前に100万枚の売り上げが認められる

なぬ!?  Jay-Z新作発売でレコード協会ルール改正。発売前に100万枚の売り上げが認められる

Jay-Zが新作『Magna Carta Holy Grail』を一般には7月7日に発売しますが、サムソンのGalaxy ユーザー100万人は、アプリをダウンロードすれば、発売の3日前7月4日に、アルバムを無料でダウンロードすることができます。

サムソンは、このアルバム100万枚を購入するのに、500万ドルを使ったそう。またそれに追加してこのキャンペーンには全体で1500万ドルを使ったということです。

Jay-Zの新作に関するCMは、1100万人が見たNBAファイナルの時に放送され、YouTubeは2300万回見られているということ。それによって、サムソンのギャラクシーが劇的に売り上げを伸ばすということはないと予想されているのですが、サムソンとしては、数年前だったら考えられなかった、アップル社にも対抗するためのイメージアップ戦略に繋がると考えたようです。CMはこちら。

それで、このアルバムは発売前に100万人の人がダウンロードすることになるわけですが、それは売り上げとは認められずチャートには入らないとビルボードは発表していたのです。残念でしたJay-Zという話しになっていたのです。

が!!!!

なんと、ビルボードではなくて、アメリカレコード協会のほうは、今になって突然規則を改正。Jay-Zのアルバムは、ゴールド、プラチナムステイタスにすぐに認められるということになったそうです。これまでは、ゴールドやプラチナムのステイタスは、店頭に出荷された枚数ではなくて、返品もあるので、発売から30日は待つという規則だったそうです。が、これまでも例えばiTunesのデジタルで買ったものは、返品できないので、30日待つというのは、どちらにしても矛盾が発生していたよう。それが非常にタイミングよく今改正されたということ。
http://music-mix.ew.com/2013/07/02/jay-z-magna-carta-holy-grail-riaa-soundscan/

アメリカレコード協会の発表によると、今の時代消費者のレコードの買い方も変わったし、アーティストやレーベルの発売の仕方も変わったので、その変化に見合った決まりを設定しなくてはいけないと思ったから、ということです。

一方、ビルボード誌は、「ビルボードが規定している最低の3.49ドルを、サムソンかJay-Zがアルバム代としてチャージしていたら、アルバムの売り上げとして認めた」ということ。今回は無料で配られるので、売り上げとしては認めないということ。つまり、ビルボート的には、ギャラクシーでアルバムを入手した100万人以外の人がアルバムを買えることになる7月7日まではチャートには関係しないということ。

結果、アメリカレコード協会は売り上げと認めて、全米チャートに関わるサウンドスキャンは、売り上げと認めないということ。

どちらにしても、Jay-Zにはお金が入っているわけですが、これはアルバムとして成功と言えるのかどうか、よく分かりません。

ちなみに、このアルバムのCMの中で、リック・ルービンが登場しますが、実はリック・ルービンがプロデュースしたわけでもなくて、ただそこにいただけだそうです。そっちのほうが個人的には驚きです(笑)。

リック・ルービンがXXLマガジンに話したところよると。
「僕があのコマーシャルに出たのは、頼まれたから行っただけなんだ。たぶん、Jay-Zは僕と話しやすいと思ったんじゃないのかな。僕に曲を聴いてもらって、それについて話したいと思ったんだと思うよ。だから実際曲を聴いてそれについて話しただけなんだ。僕がしたのはそれだけだった。楽しかったけどね」。

さらに具体的なアルバムの評価については、「良い曲だったと思うけど、でも、実はそれを考えるのが難しくて。というのも、僕はカニエ(・ウェスト)のレコーディングからすぐにそこに行ったからね。Jay-Zのアルバムとカニエのアルバムはあまりに違うものだったんだ。カニエのアルバムは、非常にオルタナで、プログレッシブだったから、頭の中がそういうモードになっていたんだけど、Jay-Zのアルバムというのは、その逆で非常に王道のヒップホップアルバムなんだ」ということです。

ちなみにこちらのCM では、カウチに寝転んだルービンにJay-Zが、“Jay Z Blue"という曲について説明しています。自分には子供の頃から父親がいなかったため、自分が今父親になって、良い父親になれるか自信がないというパラノイアになっていることについて歌った歌だということです。

また、アルバムのジャケ写が、イギリスのSalisbury Cathedralにある、オリジナルのマグナ・カルタの隣りに並べて発表されました。なんというか、カニエの『イーザス』を意識しているような気がします。自分をジーザスと言ってしまうカニエほど横柄ではないですが、どちらにしても、思いきり比べられることになるでしょう。
http://lifeandtimes.com/jay-z-magna-carta-holy-grail-album-cover
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