スパイク・ジョーンズ『her』の最新クリップを観た(涙)&Arcade Fireについても訊いた!トロント映画祭3
2013.09.13 17:41
正式公開は年末になるスパイク・ジョーンズ最新作『her』ですが、その映像クリップ4編と、スパイクのQ&Aがトロント映画祭で行われ、さらにその後直接スパイクに直接会ってインタビューするという超先取り&貴重な機会に恵まれました(感謝感激)!
『her』は、ホワキン・フェニックス演じる主人公のセオドラが、OSの声サマンサ(スカーレット・ヨハンソン)に恋をするという物語なので、さっそくテクノロジーに対する思いについてスパイクに質問がされました。
彼は、テクノジーを恐れているのか? または好きなのか? または、人間の関係性というのがそれによって変化したと思っているのか?というこの作品で何を言わんとしているのか、ということについて訊かれました。
スパイクは当初その質問の答えを直接すぐには答えなかったのですが、「僕は、自分が考えていたすべてのアイディア、人と人が繋がる方法について、僕らがどのように人と繋がりたいと思っているのかとについて、僕らが人と繋がるためにどのようにテクノロジーを使うのかについて、そして、テクノロジーがどのように僕らが繋がり合うことを助けてくれているのか、またはテクノロジーがどのように僕らが繋がり合うことを妨げているのか、ということを元にこの映画を作り始めたんだ」
「だけど、究極的には、この映画は僕にとっては、僕らが人と繋がり合いたいという願望についてであり、そしてその必要性についてなんだ」
「最新のデジタル・テクノロジーやインターネットによって、どれだけ僕らの人生が素早く変貌してしまったのか?ということについてでもあるけど、だけど、最終的には、僕は、人間関係についての映画を作りたいと思っていたし、ラブストーリーを作りたいと思っていたし、人間関係と、愛について探求してみたかったんだ。だから、テクノロジーというのは、当然この物語の一部として関わってくるわけだけど、でも、それは一部でしかないんだ」とのこと。
この日上映されたクリップはどれも、その映像といい雰囲気といい音楽といい、スパイク・ジョーンズ特有のエモーションが炸裂したものばかりで、胸が締め付けられるような内容でした。
この日分かったことは、主人公のセオドラは、感動的なラブ・レターを代筆する会社に務めていること。彼はかなり優秀であること。
彼の別れた妻を演じるのは、ルーニー・マーラ。彼の昔からの友人がエイミー・アダムスで、彼女の役柄は最近恋人と別れたばかりであるということ。
また、実はサマンサの声は、元々サマンサ・モートンで全編演じられたそうなのですが、終わってから映画にふさわしくないと思って、急遽スカーレット・ヨハンソンが演じたということ。それとセオドラはいつも赤とかピンクのシャツを着ていること。愛を求めているサインでしょうか?
さらにここで流れた音楽ですが、ひとつは、先に公開されていた、カレンOの曲で、映画の中では、スカーレット・ヨハンソンが歌っていました。
また気になるアーケイド・ファイアのサントラですが、この日聴いた曲は、すべてピアノだけのシンプルで美しい曲。ヴォーカルはない曲でしたが、スパイクに後で聴いたところによると、バンド全員で作ったということなので、全編を聴くと彼らのストリングスなども聴こえるのかもしれません。
ちなみに、アーケイド・ファイアが発表したばかりの素晴らしい新曲の歌詞も、孤独な世界に立たされ、人との繋がりを求めているという内容です。偶然ですが、この作品ともエモーションがばっちりと合っています!
日本の公開は来年になりそうですが、この作品に関してはこれからも初公開される10月のNY映画祭初め追いかけ回しますので、お楽しみに!!!!
予告編はこちら。