昨日のスペシャ列伝で感じたこと(テスラは泣かない。とキュウソネコカミ)

昨日のスペシャ列伝で感じたこと(テスラは泣かない。とキュウソネコカミ)

昨日、motoのワンマンからはしごしたのが、渋谷WWWで行われていたスペースシャワー列伝。

何とか最後のふた組、テスラは泣かない。とキュウソネコカミに間に合った。テスラは観るの初めて。というか鹿児島在住でこれまでのところ東京ではあんまりライヴやっていないので、貴重な機会。キュウソも久しぶり。

テスラは音源を聴いて想像していたよりもずっと骨太でたくましかった。観念的だったり技巧的だったりする部分ももちろんあるんだけど、もっとエモーショナルで生々しい現場感覚のあるバンドだったのでうれしかった。それを終演後本人たちに「やっぱり鹿児島っぽい感じがした」って伝えたら怪訝な顔をされましたが。そしてやはり“アンダーソン”は強い。初見のお客さんがほとんどだろうし、最初は様子見のところがあったんだけど、あの曲のきらめきは瞬時に空気を変える力をもっていた。最後の曲でG・Vo村上のギターが鳴らなくなるトラブルが起きたんだけど、それをこう、力技でひっくり返すのを見て、このバンドでっかくなると確信した。

そしてキュウソネコカミである。スペシャで放送されるからか、列伝ツアーへのアピールか、「ヤンキー怖い」のコールアンドレスポンスも異常な活気を呈していて、筋斗雲も登場し、最後にはなぜか組体操のピラミッドをやって終わるというネタ大盤振る舞い。Vo・Gヤマサキが「そりゃ勘違いするわ!」と言うのも納得の盛り上がりだった。

ところで、ご承知のとおりネタ満載、笑いどころてんこ盛りのキュウソのライヴではあるのだが、やっぱりこのバンド、相当したたかで頭がいい。最初っから最後までボケ倒しているように見えるけど、じつは彼らはツッコミ型のバンドである。バンドにボケもツッコミもなかろう、と思うけど、やっぱりツッコミ型なのである。そしてツッコミというのは繰り出す側に的確な批評眼と鋭い反射神経がないと成り立たない。既存のカルチャーに対するアイロニカルな視点(”サブカル女子”)、日常に溢れる違和感への着眼(iPhoneの着信音「マリンバ」をネタにした”ファントムヴァイブレーション”)、現在のロックシーンに対するユーモアめいた批判(”テレキャスばっか”)。自分たちの置かれたハイプな状況も、目の前にいるお客さんも速攻で食っていく。

よく言われているように、音楽だろうとほかのカルチャーだろうと、古今東西を問わず「何だって選べる」のが今の時代なわけで、そこから自分の気持ちいいもの、肌に合うものをチョイスしてミックスして何かを生み出していく、というのがデフォルトの世代である。チョイスしてミックスするというのは要するに批評でありツッコミだ。キュウソネコカミはそれにものすごく自覚的で、しかもセンスがいい。

と、思いました。
もちろん、ただ性格がひん曲がった奴だというだけの可能性もありますが。
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