※3月26日発売、back numberのニューアルバム『ラブストーリー』を、発売日までカウントダウンしながら1曲ずつレビューしていきます。
M-4 “fish“
この曲についてはシングルとしてリリースされたときにも書いた(http://ro69.jp/blog/ogawa/95941)。何度聴いても感動的で重い、back
numberの王道バラードだ。これはバンドが初期から大事にしてきた重要曲であり、これをシングルとして世に出すことは、大きな「勝負」だった。そして、アルバムの中に改めて収まった“fish“を聴いて実感するのは、彼らがその勝負に「勝った」ということだ。いや、「勝った」というのはちょっと語弊がある。正確にいうなら、back
numberはついに、それこそ『逃した魚』の時代から追いかけてきた“fish”の尻尾を捉え、それを追い越したのだ。清水依与吏はこの“fish“が自身にとっての「基準」だと話していたが、彼はそのバーの遥か上を跳べるようになった。だから、『ラブストーリー』の中で、“fish“は決して大黒柱ではない。過去に《さよなら》と宣言するこの曲そのものが、back
numberにとってひとつの過去になりつつある(もちろんポジティヴな意味で)。僕はJAPAN3月号のインタヴューで、この曲はback
numberにとっての「亡霊」だったのではないか、というたとえを使ったのだが、シングル・リリース、そしてアルバムの完成によって「亡霊」はちゃんと成仏した。
それにしても、これほどの曲(しかもシングル)があるにもかかわらず、それが柱になっていないというところに、今のback
numberの覚醒感、そして『ラブストーリー』の凄みがあるという気がする。
明日はM-5 ”光の街”です。
アルバム発売まであと9日!
↓これまでのレビューはこちら。
M-1 ”聖者の行進“
http://ro69.jp/blog/ogawa/98879
M-2 “繋いだ手から“
http://ro69.jp/blog/ogawa/98907
M-3 “003”
http://ro69.jp/blog/ogawa/98928