『スーサイド・スクワッド』観ましたか? サントラもいいけど、映画館で大音量で聴くロック名曲も最高だった
2016.09.14 20:04
週末公開された映画『スーサイド・スクワッド』、もう観ましたか?
スクリレックス、グライムス、パニック・アット・ザ・ディスコ!などサントラもすごいテンションで、聴いてるだけでハーレイ・クイン&ジョーカーの地獄のドライヴの後部座席に同乗しているようなヤバい錯覚に陥りますが、
映画では冒頭から、サントラには入っていない60~70年代名曲がもりだくさんで、ロック・ファンとしてかなりわくわくしっぱなしだった。
(以下ネタバレあり)
アニマルズの“朝日のあたる家”(堕落した自分から無垢なる家族へのメッセージというシチュエーションがかぶってしみじみ…)や、
ハーレイ・クイン登場シーンでは、なんと60年代のポップス、レスレイ・ゴアの“You Don’t Own Me” (かわいい!)が、
もはや映画の定番ともなったローリング・ストーンズ“悪魔を憐れむ歌”や、
AC/DC“Dirty Deeds Done Dirt Cheap”、
ブラック・サバスの“パラノイド”、そしてクイーン“ボヘミアン・ラプソディ”。
もちろんエミネムやカニエなども。
DCの悪役たち(バットマンやスーパーマンの敵キャラ)を集めた特殊部隊だけあってコワモテ揃いだが、
コモンがモンスターTというギャング役で、ジョーカー(ジャレット・レト)と商談…なんてシーンも緊張感があって見逃せない。『グランド・イリュージョン』ではFBI捜査官役で、マーク・ラファロの上司という堅い(でも面白い)役だったが、今回は対照的だ。
それにしても、
ジャック・ニコルソン(ティム・バートン版)、さらにヒース・レジャー(クリストファー・ノーラン版)の背筋も凍る怪演によって、しかも彼の死によってそれが永遠に刻まれてしまったあとでは、もはや誰もできないだろうと思われていた、バットマン最大の敵ジョーカー。
観るまでは個人的にも抵抗はあったが、ジャレット・レトが、彼なりの美学で、現代風な悪役プリンスとして新生ジョーカーを演じていて、なんだかとても嬉しかった。
タキシードにオールバックのいけてるルックスで、そことなく上品さも漂うが、そのイメージはアレハンドロ・ホドロフスキー監督と麻薬カルテルのボスをヒントにしたとも言われている。
確かに、ホドロフスキー映画に出てきそうな、ちょっと神経質なやばカッコよさ。
ハーレイとのイカれ狂った恋路、きっと誰もが応援したくなると思う(こんな人間臭いジョーカー、前代未聞だし)。
(井上貴子)