「このバンドにはひとりとして当代最高なんてミュージシャンはいないだろ。メンバー全員、技術的な意味じゃそれぞれデッカい穴を幾つも抱えてる。
けど他のバンドと何が違うかって言えば、俺たちは昔からいつだってラフでリアルだったってことだ」(ダフ)
『ユーズ・ユア・イリュージョン』という共通タイトルのもと、赤と青を基調とした色違いのアートワークをまとった2枚のアルバムが同時発売されたのは、1991年9月のこと。世界最大級のロック・バンドのひとつに数えられるようになっていた当時のガンズ・アンド・ローゼズは、トラブルメイカーとしても知られていた。
ただ、彼らが単なるお騒がせ集団であったなら、現在のような敬意に満ちた評価を得てはいないはずだし、その楽曲の数々が普遍的価値を持つこともなかっただろう。何が言いたいかといえば、彼らは最初からとても音楽的だった、ということだ。
安アパートで不謹慎にまみれながら共同生活していた当時から、その輪の中心にあったのはあくまで音楽だった。このインタビューは、70年代を背景としながら80年代に生まれ、ロックを90年代へと繋いだ彼らのデビュー作『アペタイト・フォー・ディストラクション』が世を席巻し始めていた当時に行われたもの。
目まぐるしく変わり続ける現実の中、自己破滅的ともいえる日々を過ごしていた彼らの、まるで映画のようでありながらきわめてリアルな姿がここにある。(増田勇一)
<総力特集 コンテンツ紹介>
★1988年、ガンズ・アンド・ローゼズが絶頂期に語った超貴重インタビュー
★天才ベーシスト、クリフ・バートンの死の直後である1987年、メタリカ再生のドラマが描かれたインタビュー
★80年代究極のハード/メタル名盤を軸に、当時のシーン全体を詳細につづった特別論考
ガンズ&メタリカなど80年代ハード/メタルの特集は、現在発売中の『ロッキング・オン』11月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。