「わたしたちが肉体を必要とするのは、ご飯を食べたりクソするためじゃん。
人間として生きてくために必要ってだけ。そう考えると体型で他人を評価したり、くよくよ考える方がおかしいんだよ。いや実際、何でなんだろ?」
先月号に引き続き、ビリー・アイリッシュの最新インタビューの後編をお届けする。前編では新作『ハピアー・ザン・エヴァー』が生まれた背景やテーマなど作品のアウトラインが中心だったが、ここでは現代ならではの様々な事象に対するビリーの率直な意見が語られている。ソーシャル・メディア文化がもたらす悪影響、気候危機、ストレスとの向き合い方、肥大化したファン・カルチャー、その中で常に支えになっている家族のこと。
ビリーがアーティストとして秀でていることのひとつとして、こうした現代社会におけるダークな側面を見つめ、自分もその中で生きるひとりである重みと向き合っている点があるが、そのことがひしひしと伝わる内容だ。
それにしても、この記事の中でビリーが聴き手に「伝えたいこと」にたどり着く過程は感動的だ。アルバムではたしかにビリーだけが知っているスーパースターであることの苦悩が綴られていたが、それはけっして自分だけの苦しみではないというのだ。アーティストであることとひとりの人間であることで引き裂かれずに、今、彼女は地に足をつけて前に進もうとしている。 (木津毅)
ビリー・アイリッシュの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』11月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。