「アンビエントが巨大ジャンルに成長したのはいいと思うよ。結局、なにかしらの考えやアイデアを世に問えば、その瞬間に、もう自分だけのものではなくなるんだから」
これは2017年のアンビエント・アルバム『リフレクション』リリースの際に行ったインタビューの再掲載である。当方で作成した質問を現地の『テレグラフ』誌の記者に託して取材してもらったものだ。
アンビエント・コンセプトについて、音楽自動生成システムについて、そしてロキシー・ミュージック結成のコンセプトから自身の音楽観、歌詞と音楽の関係について、そして彼の表現の原点とも言うべきアートについても、明快に率直に明かしている。ポップミュージックの歌詞について過剰に意味づけすることで、ポップミュージックそのものが陳腐化されてしまうという指摘は鋭い。
彼が『ディスクリート・ミュージック』以降こだわり続ける、音楽自動生成プログラムを使った制作工程についての話も興味深い。一定のパラメータを設定してアットランダムな音列のパターンを抽出し、そこに微妙な調整を加えて作品に仕上げるというイーノ流アンビエントの制作メソッドは非常に特異なものにも映るが、そこには音楽についての固定概念を打ち壊していこうとする断固たる意志と、それを裏打ちする合理性が存在しているのである。(小野島大)
<コンテンツ紹介>
★究極のディスコグラフィーを自身で解説したインタビュー!
★イーノ責任監修「アンビエント・ミュージック講座」
★究極の10枚、徹底レビュー
★ブライン・イーノとは何者か――破壊と創造から生まれるもうひとつのポップミュージック史
★破格の知性が生み出した音楽イノベーションのすべて「音楽IT革命」
ブライアン・イーノの特集は、現在発売中の『ロッキング・オン』2月号に掲載。
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