世界中でバズ大爆発中のウェット・レッグ、4月にデビュー・アルバムを発売! シリアスすぎる世界をふんわりシニカルに笑い飛ばす、UKが生んだ新たな才能に迫る

世界中でバズ大爆発中のウェット・レッグ、4月にデビュー・アルバムを発売!  シリアスすぎる世界をふんわりシニカルに笑い飛ばす、UKが生んだ新たな才能に迫る - rockin'on 2022年4月号 中面rockin'on 2022年4月号 中面

2021年6月にデビュー・シングル“Chaise Longue”(シェーズ・ロング=長椅子)を発表。コロナ禍でぼんやりした我々の前に突然UKワイト島から現れた2人組リアン・ティーズデイルとへスター・チャンバースからなるポスト・パンク・バンド、ウェット・レッグが、一瞬にして世界を魅了した。

「ダイヤモンドは、見つけた瞬間に分かる」とイギー・ポップも語り、「大興奮! 生意気で、グルーヴが最高で、メトロノームみたいなボーカルで、絶対に真似できない」と絶賛。その後もう1曲シングルが発表されただけで、UK、USのライブは即完。BBCの“Sound of 2022”でも2位に選ばれ、4月8日に発売予定のセルフ・タイトルのデビュー・アルバムは、今世界で最も待たれている作品なのだ。

ブレイクのきっかけとなった“シェーズ~”は、ザ・ストロークスを思い出す超キャッチーなリフで始まるも、しらけた視線で、若さゆえの衝動、不安、失望、傷心などが、超棒読みで歌われる。学校なんて退屈だというむしろ普通の始まりから、下ネタも当たり前に歌い出すのがインディ女子として新しい?! 世の中のナンセンスさを中毒性あるリフに乗せ、《だから1日中、長椅子》と確信犯的に繰り返すから最高。観覧車に乗ってエイリアンに拉致される歌を作った瞬間にバンド結成を決意っていうキュートすぎるバンドの始まりから、コロナ禍で実家に戻り本格的に曲作りを開始。できた2曲をレーベル、ドミノに送ったら即契約となった。

UK新人のスクイッドが一見、意味のないバンド名と絵文字をポストしていたのが羨ましくてウェット・レッグというバンド名を付け、「こんな名の私たちをシリアスに受けとめないで」と言っていたのが印象的だ。何故ならそれはビリー・アイリッシュの口癖でもあるから。つまり彼女たちは、本質的にはこれまでになく緊迫したシリアスな世界を生きていることを誰より実感しているのだ。

「楽しくなかったらバンドはやめる」とも言っていて、デビュー作も、彼女たちが大好きなアイドルズや、ヤー・ヤー・ヤーズなどポスト・パンク、ガレージを自由に駆け巡り、フェスで有名な島の出身だけあり、どの曲もライブで盛り上がる高揚感あるメロディに溢れている。

大人になって社会に出たけど、待っていた「人生の大変さ」や悲しみを、抗うことができないキャッチーなリフとシニカルな笑いで歌ってみせる彼女たちこそ今、世界に必要だった。デビュー作は完璧と言える出来だし、ふんわり喋るふたりにも取材済。次号をお楽しみに! (中村明美)



ウェット・レッグの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』4月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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