ロッキング・オン最新号は、総力特集『ニューウェイヴ/ポストパンク』! ロックの概念をリセットした「冷めた革命」の真実 ―― 傑作アルバム50作品完全レビュー、ジョイ・ディヴィジョン&ザ・キュアーの決定版インタビューなど全52ページ!

ロッキング・オン最新号は、総力特集『ニューウェイヴ/ポストパンク』!  ロックの概念をリセットした「冷めた革命」の真実 ―― 傑作アルバム50作品完全レビュー、ジョイ・ディヴィジョン&ザ・キュアーの決定版インタビューなど全52ページ! - rockin'on 2022年7月号 中面rockin'on 2022年7月号 中面

ロッキング・オン初のニューウェイヴ/ポストパンク特集だ。

実はこの特集は2020年のニュー・オーダーの来日公演に合わせて企画されたもので、制作も進んでいたのだが、コロナ禍で公演延期となり、その2年後、今年の1月にまたしてものコロナによる振替公演中止で企画も凍結。だがロッキング・オン初のニューウェイヴ/ポストパンク特集号というものの意味と価値を考えればタイミングなど関係ないと考えて一気に仕上げて刊行に踏み切った。ポップミュージックの歴史におけるニューウェイヴ/ポストパンクの重要性、今のポップミュージックへの巨大な影響力、それに比べての理解や評価の不足などなど、今これをやる意味は十分ある。

70年代はロックの黄金時代であると同時に、ロックが肥大化、鈍重化、そして産業化した時代だった。その反動としてパンクが勃発し、ニューウェイヴ/ポストパンクが生まれた。パンク/ニューウェイヴ/ポストパンクは「ロックのリセット」だった。70年代ロックのぼってりと厚みのある音からスカスカの音に変わり、重みのある横ノリのビート感から反復する縦ノリのビート感に変わった。エネルギッシュなシャウトや男性的なボーカルから、冷めた中性的なボーカルへと変わり、それまでは特異だった女性メンバーや女性のバンドが普通に続々と現れ、エレキギター、ドラムと同様にシンセやデジタルのサウンドが前面化した。

そうしたニューウェイヴ的な、ポストパンク的なサウンドや世界観は、インディレーベルとの契約によって守られながら発展を遂げ、しかし同時にメジャーレーベルやMTVなどのマスメディアによってメインストリームへも吸い上げられていった。ただ、そのおかげでニューウェイヴ/ポストパンクはそれ以降のポップミュージックの重要な構成要素のひとつになり、特に2010年代以降のメインストリームポップにおいてはエレクトロポップ、シンセポップといった、主役と言っていい重要なエレメントになっている。

ストーンズビートルズボウイ、ツェッペリンのような超大スターが数え切れないほどいた70年代ロック黄金時代と、オアシスニルヴァーナベックグリーン・デイなど超ビッグアクトたちが再び隆盛した90年代ロック黄金時代の間に挟まれた、80年代ニューウェイヴ/ポストパンクの時代。超人気スターなどいない、だからこそ切実なまでに共有できたその精神性、「ニューウェイヴ/ポストパンク」スピリットをこの特集から感じ取ってもらえることを願います。 (編集長 山崎洋一郎)




総力特集『ニューウェイヴ/ポストパンク』は、現在発売中の『ロッキング・オン』7月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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