新時代ポップデュオ:ジョックストラップ、デビューAL完成! ブラック・カントリー・ニュー・ロード発の美しくストレンジなポップミュージックが、またも世界に衝撃を与える

新時代ポップデュオ:ジョックストラップ、デビューAL完成!  ブラック・カントリー・ニュー・ロード発の美しくストレンジなポップミュージックが、またも世界に衝撃を与える - rockin'on 2022年9月号 中面rockin'on 2022年9月号 中面

ブラック・カントリー・ニュー・ロードでバイオリンを担当するジョージア・エラリーと、電子音楽に長けるテイラー・スカイによるジョックストラップのデビューアルバム『アイ・ラブ・ユー・ジェニファー・B』がこの9月、遂にリリースされる。

これまでイギー・ポップやOPN、ジェイミー・エックス・エックスらからの賞賛を浴び、さらにはシャネルのキャンペーンビデオやステラ・マッカートニーのショーに起用されるなど、音楽界にとどまらず幅広い分野からの注目を集めてきたデュオであるが、まさにこのアルバムは広く深い知識に裏打ちされた多様なリファレンスを乱反射させつつも「普通のポップス」からまるで逸脱した地点に着地しており、かつてないほどの拡がりを見せる現行ポップシーンにおいて、なお型破りな存在感を有している。

10の収録曲には、見事にすべてバラバラの角度から必殺級のフックが設けられており、決して耳を飽きさせないが、共通するのは、その「歪さ」だ。例えば、ペイヴメントのひしゃげたグルーヴや、アニコレのダルく蕩けたサイケデリア、あるいはブライアン・イーノの人を食ったユーモア等々、様々な連想を誘発する「歪」な要素が曲毎に霞の様に現れては消えていくのだ。その尾を掴めず、掴めないからこそ繰り返し聴きながらなんてキュートな「歪さ」なのかと笑っているうちに、気付けばふたりの掌の上で転がされていることを自覚してしまう。奇天烈にして極上なポップ作なのである。

また、ジョージアが作詞/作曲し、テイラーがプロデュースというのが主な役割分担であるというが、楽曲とアレンジとがそれぞれ独立して強烈な主張を放っている点もこのデュオの大きな魅力であり、ふたりが組んでいる必然を感じさせる。

名門ギルドホール音楽演劇学校で出会ったクラシックとジャズの素養も深い両者が、なぜこの様なストレンジなポップ音楽を志向したのか? また、ジョージア以外のBC,NRのメンバーもこぞって目指すべきものとして口にするその「ポップ」とは、我々が知るそれと果たして同義であるのか? そうした疑問について、次号、インタビューにて直撃予定である。 (長瀬昇)



ジョックストラップの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』9月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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