ブラック・カントリー・ニュー・ロード、大傑作のサードアルバムを語りつくす。最強の6人による、最高のハーモニーは鳴り止まない!

ブラック・カントリー・ニュー・ロード、大傑作のサードアルバムを語りつくす。最強の6人による、最高のハーモニーは鳴り止まない!

現在発売中のロッキング・オン6月号では、ブラック・カントリー・ニュー・ロードのインタビューを掲載!
以下、本インタビューの冒頭部分より。



「新作は内容というよりサウンド的に、あったかい特大ハグみたいなサウンドにしたいと思ってた」



●以前のインタビューで、「スタジオアルバムを作るときは一枚のまとまりのあるものを作るのが課題」だと話してくれたのが印象に残っています。今回、制作にあたってあなたたちの課題や目標はどんなところにありましたか?

タイラー・ハイド(以下、タイラー)「まとまりっていう部分は依然として課題になっていたと思う。今回良かったのは、始まり方がすごく自然で、時間的なプレッシャーもないなか曲が立ち現れてきたということ。それで結果的に3つとか4つの異なる方向性というか、ムードを持つものができた。でも、どれかを捨てるのは嫌だったから、それぞれの異なる世界観やムードの間に橋をかける必要が出てきて。それぞれがあまりにも違いすぎていて、でもどれかひとつを選ぶことは不可能で、だからたぶん橋を築くことが一番難しいことのひとつだったと思う」

●その橋とは何だったんでしょう?

タイラー「橋は、作曲プロセスの終盤になってハッキリわかってきて、最高の橋が生まれたんだけど、終盤になって“べスティーズ”と“ハッピー・バースデー”と“ビッグ・スピン”っていう三位一体と呼べるような楽曲群ができたの。そのくらいの段階になってお互いの曲をどう参照しながら作るかがわかるようになったというか。それで楽曲同士をつなぐ橋の役目を果たすようなこと、たとえば共通の拍子を使ったりとか、音楽的に表現できる感情を共有したりっていうことができるようになってきて。でも作曲の初期段階ではまだ曲を十分に理解してなかったから、それがすごく難しかったんだよね。これはある意味セカンドの『アンツ・フロム・アップ・ゼア』でもやったんだけど、季節ごとに曲を分ければもっとまとまるんじゃないかっていうアイデアがあった。というのも“ナンシー”と“コールド・カントリー”が片方の端に位置しているとしたら、“べスティーズ”はその反対側にあって、そのふたつは間違いなくまったく別のアルバムに収録されるだろうっていうくらい違ってたから。結局、季節で分けることはしなかったけど、当初はそういうアイデアも出るくらいだったっていうね」

●『フォーエヴァー・ハウロング』はアンサンブルのディテールが作りこまれているのが素晴らしい点だと思います。『ライブ・アット・ブッシュ・ホール』のときは生のパフォーマンスを収めたアルバムとして、「不完全なところもパッケージしたかった」と話されていましたが、今作ではどのような制作アプローチを取ったのでしょうか?

ジョージア・エラリー(以下、ジョージア)「アレンジのやり方は前と同じような感じだったんじゃないかな。今回のレコーディングでは使う楽器が多かったというのはあるけどね。曲はみんなで一斉にライブ演奏して、それも前からだけど、今回はもっと統制が取れていたと思う。ライブ演奏で録ってからドラム、ベース、ピアノと各パートに解体して、プロデューサーであるジェームス・フォードの力を借りつつ、再度全部のパーツを組み立て直して。ときにはライブで録ったままの雰囲気が良くてそれを残すこともあったけどね。一枚目のときも今回と同じようにオーバーダブをやったけど、完璧なテイクじゃないとダメだったから、何度もひたすら演奏しなきゃいけなかった。でもジェームスは違って、1〜2テイク録ったら『よし、終わり』っていう。だから個人的には全然ラフな部分も残ってると思ってる。彼は、大体の場合は最初のテイクが一番いいって思ってるんじゃないかな。一発目の熱量というか」

●今回、女性メンバー3人で作曲とリードボーカルを担当した経緯はどのようなものでしたか?

タイラー「基本的には自然に起こったことで、元々はルイス(・エヴァンス、Sax/Fl)が歌っていたけどライブを楽しめなくなってしまったために歌うのをやめることにして。複数のシンガーになったおもな理由は、誰かひとりに負担が集中しないようにするため。バンドのリードシンガーには孤立がつきものだから。バンドを集団として見ているつもりでも、心理的に全員をひとつの存在として捉えるのはほぼ不可能に近いと思う。だから、私たち自身がよりひとつだと感じられるように、特定の誰かがスポットライトを浴びすぎないようにすることがおもな意図。でもルイスが歌うのをやめたことで思いがけず統一感が生まれたというか。その影響は大きくて、作詞作曲の仕方、歌詞、レコーディングのやり方、影響を受けるアーティストまで、あらゆる面に影響を与えることになった」

(以下、本誌記事へ続く)



ブラック・カントリー・ニュー・ロードの記事の続きは、現在発売中の『ロッキング・オン』5月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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