ノエル・ギャラガー、2023年のニューアルバムに向けてついに始動!
前作『フー・ビルト・ザ・ムーン?』のリリースは2017年、その間には『ブラック・スター・ダンシング』を筆頭とするEPプロジェクトや初のソロベスト盤『バック・ザ・ウェイ・ウィー・ケイム:Vol 1(2011-2021)』(2021年)、それに『オアシス:ネブワース1996』の公開もあったので「ノエル不在」という感じはしない。しかし、フルアルバムとしてはきっちり6年ものインターバルを要したわけで、やっぱり帰還と呼ぶに相応しい新作なんじゃないだろうか。
ノエルのインタビューによると新作のリリースは来年5月予定、1年かけて作った力作である同アルバムを聴いた友人たちの反応は上々で、ストリングスを多用した仕上がりになっているとのこと。そうした断片的な情報からわかることは、前作『フー・ビルト・ザ・ムーン?』(ノエル曰く「最初の3年間はなにを作ってるのか自分でもわからなかった」一作)とは異なり、かなり明確なビジョンを持って臨んだアルバムらしいということだ。
さらにその確信を深めてくれたのが、先行シングルの“プリティー・ボーイ”だ。そもそもノエルと盟友ジョニー・マーのタッグで不味い曲が出来上がるはずがないが、マイナーコードにビターな叙情を乗せるマーの真骨頂たるギターや、控えめながら要所要所で鋭く抉ってくるグルーヴ、滋味深くかつ艶やかなノエルのボーカルと、クールに洗練された流石のサウンドスケープの中に今なお熱いロックンロールを秘めた同曲は、予め高い期待をさらに上回る最高のスターターに仕上がっている。ちょっとニューウェイブというかゴスを感じる(特にザ・キュアー!)メロディが新鮮だが、何れにしても同曲からはノエルがメロディとコードありきの王道のプロセスに立ち返ったことがうかがえるのだ。
ちょうど6年前にソロデビューしたリアム・ギャラガーがすこぶるハイペースな活動を続けていることもあって、ノエルのほうにかなりご無沙汰な印象が付いてしまったが、ある意味でここ数年は兄から弟、そして弟から兄へとギャラガーズのバトンリレーが行われているようなもの。そう、2023年はノエルの番だ。 (粉川しの)
ノエル・ギャラガーの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』1月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。
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