現在発売中のロッキング・オン11月号では、『特別企画 90年代ロックアルバム150』の中でニルヴァーナ:カート・コバーンのインタビューを掲載!
以下、本インタビューの冒頭部分より。
「僕はずっとオルタナティブミュージックをカウンターカルチャーだと思ってた——
でも今これだけすごい規模でオルタナティブバンドが出てきたら、これはもうカウンターカルチャーとはいえないよね」
アメリカのアンダーグラウンドからメインストリームに進出しそうなバンドがいるとすれば、ニルヴァーナしか考えられない。現在メジャーレーベル8社から誘いを受けている彼らは、おそらくその契約金をいただきサブ・ポップの巣から逃げ出すだろうが、それでも自分たちの尊厳とパワフルなポップを失うことはあるまい。キース・キャメロンは彼らの住むシアトルを訪ねた。
現在MTVに君臨する神はネルソンだ。この双子の馬鹿ブロンドたちは新たなソフトロック界のキングのようになっている。メタルはやるべきことから逃げるのが定型となり、フェイス・ノー・モアの人気沸騰によっておぞましい“ファンク”クロスオーバー勢が噴出、一方でアンダーグラウンドは相変わらずソニック・ユースの“裏切り”を晒し台にかけ騒ぐだけで満足し、それを超えるものを提供してくれてはいない。となれば、今でもなお、いささかのスタイルを持ってカッコよく打って出てやろうという気構えのある人間が僅かながら存在することに感謝だ。そしてシアトルのレーベル、サブ・ポップがヤンキーロックシーンに息を吹き込み生き返らせた事は確かである。
サウンドガーデンはメタルを再び楽しめるものにすると同時にリフの達人であることを証明したが、それからメジャーレーベルの贅沢な世界へ去っていった。マッドハニーは愚かな鼻垂れ小僧ロックに賢さを取り戻した。
さて、だがここで訊かせてもらってもいいだろう――怒りはどこにある? 数千人の音楽通の顔に脂ぎった笑みを浮かばせたところで人生は変わっていかないだろうが、実際のところ、最新のアメリカ・インベージョンが今までにもたらしたものはそれだけだ。マッドハニーはクールで面白いし、時には閃きに満ちた曲も生み出すけれど、世界が息を呑み、その先を求めるようなところまで達することはないだろう。無為に過ごした若者の汚れた心に深く入り込むこともないだろう。そこでニルヴァーナの登場である……。
(以下、本誌記事へ続く)
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