たちまち入場規制となったフジロック2023のステージから約一年。
FKJ、待望の単独公演@豊洲PITにいってきました。

正直、見る前から「これは間違いなく良い！」と確信はしていた。けれども、実際のFKJは期待を遙かに超えてくる極上のパフォーマンスだった！

クラシカルなドローンが鳴る中、颯爽と登場し煌びやかなアルペジオを爪弾くと、魔法がかかったかのように、メロウでチルなFKJの世界が立ち上がる。
ムーディーなサックスとピアノの色気にあてられ、スムーズでスリリングなギターソロで手に汗握り、フロアライクなビートに体を揺らす。
目の前でたった1人の手でつくりあげられているのが信じられないほどに、様々な景色へと誘われる90分間の音楽遊泳であった。

次から次へと楽器を持ち替えて、音を重ねていくという、ともすると忙しなくも見えそうなライブスタイルだが、不思議とFKJの佇まいは常に自然体で優雅だった。
これは、ジャズ／ソウル／クラシックロック／レゲエ／ボサノバetc.、あらゆるジャンルが血となり肉となっていなければできない芸当なはず。
そして、そのサウンドからは、偉大なる先人たちへの深いリスペクトと愛も確かに滲み出ていた。

ただ心地良いだけではない、音楽愛に満ちたクールでホットなフロア――掛け値なしの桃源郷がここにありました。もっと、ずっと、浸っていたかったです！（平澤碧）