グリーン・デイ、未だ不滅のパンク精神の今と全てを徹底特集!


4年ぶりとなる最新作にしてパワーパンクアンセムの『セーヴィアーズ』を完成させたグリーン・デイ。今年は、『ドゥーキー』の30周年であり、『アメリカン・イディオット』の20周年でもあり、このバンドの金字塔と言える2作から全曲を演奏し、しかも新作からのライブ披露も行うというあり得ないセットリストでソールドアウトの世界スタジアムツアーを決行中だ。

彼らは、2024年の年明けに放送された米民放局の番組でパフォーマンスを行ったのだが、そこで”アメリカン・イディオット”の歌詞を《俺はMAGA(トランプ前大統領の選挙スローガン)計略には関係ねえ》と変えて歌ったから今年最初の大ニュースとなった。そもそも、そんなめでたい場に招待されること自体が彼らの人気を物語っていると思うのだ。が、それなのに、新年早々お茶の間の視聴者に向かい国民を真っ二つにするような政治的メッセージを容赦なく放つところが、彼らが自分達らしさをまるで見失っていないこと、パンクスピリットがいまだ鋭いままであることを告げてくれている。

本来の”アメリカンドリーム”が、まるで機能していない国の現状に対する不満を爆発させた『セーヴィアーズ』。それをアメリカの歴史でも最重要と言われている大統領選挙の年に放ったのも偶然ではないと思うのだが、『アメリカン・イディオット』以来の評価も得ているこの新作と、グランジ全盛期の重圧に風穴を開けてくれた大ブレイク作『ドゥーキー』、ブッシュ政権時代の緊迫に危険を冒し立ち向かった『アメリカン・イディオット』。

全てロブ・カヴァロのプロデュースだが、そんな記念碑的3作を並べて世界ツアーを大成功させている結成から30年以上のパンクバンド、グリーン・デイ。彼らは、今、驚異のキャリア最強時代を迎えているのだ。(中村明美)




グリーン・デイの巻頭特集は、現在発売中の『ロッキング・オン』11月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

rockin'on 編集部日記の最新記事