Drowned In Soundで「ダブステップ・クロノロジー」と題して
ダブステップの歴史を振り返りつつ25トラックをピックアップ、
ミックスしてストリーミングしている。
http://drownedinsound.com/in_depth/4140731-25-tracks--a-dubstep-chronology-mixtape
ガラージ〜ダブステップ黎明期を引っ張ってきた
Groove ChroniclesやHorsepower Productionsからシーンの立役者Burial、
屋台骨ともいえるSkream(Magnetic Manとしてフジにも来ました)やBenga、
ダブステップの広がりを象徴するShackletonや2562、
ポスト・ダブステップの最右翼Joy Orbison(名前からして最高)まで、
ここ10年あまりのダブステップ史のツボをひと通り押さえた選曲。
これを聴けばダブステップがどういうふうに生まれ、
どういうふうに進化して、いまどうなっているのかがざっと理解できると思う。
というか、ダブステップというものが常に境界線を曖昧にしながら、
どんどん広がりを見せて進化してきた過程が分かると思う。
いまやテクノもファンクもエレクトロも飲み込んで
ダンス・ビートの基本形となりつつあるダブステップだけど、
どんな音使いでも猥雑さが消えないビートの強さこそがミソ。
個人的にはとことんディープな方向に振り切れたほうが好きです。
9月にはSkreamの新作が(海外は今月)、そして10月には
上記のJoy Orbisonと並ぶポスト・ダブステップの俊英Gold Pandaのフル・アルバムが
立て続けに日本でもリリースされるわけだけれど、
いっそうヘヴィなビートとラ・ルーらをフィーチャーした歌モノのキャッチーさの
コントラストが印象的なSkreamの『アウトサイド・オブ・ザ・ボックス』と、
もはやダブステップを出発点に世界を巡る詩情とリズムの旅、
みたいなワイドな世界観を提示するGold Panda『ラッキー・シャイナー』(←傑作!)、
それぞれが違う方向でダブステップの未来を指し示しているようで興味深い。
なんでこんなリキ入れて書いてるのかというと、
フジの金曜深夜、レッド・マーキーでやったMagnetic Manの客入りが寂しかったからです。
時間も時間だったししょうがないんだろうけど、めちゃくちゃカッコよかったぞ。(小川)