昨日のディスクロージャーのライヴ、素晴らしかった。
アルバムを聴いていても思ってたが、彼らの最大の特徴は、エレクトロニック音楽が前衛的でなければいけないという縛りにこだわらずに、最高の音楽を作り上げていること。
だから、彼らの音楽は必ずしも最先端なものではないかもしれなくて、実際に昨日も90年代初期のガレージ・ハウスのノリが印象的だったが、それをいとも簡単に普遍的な音楽体験に仕上げているのが彼らの凄さであり、そのスタンスこそが彼らの革新的なところ。
しかもライヴを観ていてすごく伝わってきたのが、彼らの音楽が快楽主義一辺倒でもないこと。
ベースやパーカッションをたくみに操り、時には自分たちで歌い、それをビートと絶妙にあわせていく様子は、まさに真剣なミュージシャンそのものの姿だし、アルバムもそうだが、やはり音楽そのものはふたりにとってパーソナルなもの。
薄っぺらいEDMが横行するだけに、それはとても重要。
彼らの音楽一音一音を嚙み締めることができるのは、つまりそういうことだと思う。
ただ、やっぱりヴォーカル・トラックにはなえる。
90年代のハウス・カルチャーでは当たり前だったが、最近は生ヴォーカルにこだわったアクトが多いだけに、どうしても物足りなさを感じてしまった(仕方ないのはわかるが)。
特にアルーナが飛び入りしてやった“ホワイト・ノイズ”の盛り上がりがダントツにかっこよかっただけに。
本人たちもいい声してるし。
そう感じてしまうのはやはり歳のせいなのだろうか?(内田亮)